意識下高血圧自然発症ラット(SHR)の臓器血流に及ぼす抗セロトニン薬の効果
意識下SHRの全身循環と臓器血流におよぼす抗セロトニン薬, ケタンセリン(Ket)とメチセルジド(Met)の効果について放射性ミクロスフェアー法を用いて検討を加えた. 《方法》SHRにKet(1mg/kg), Met(1mg/kg)を静脈カテーテルを介してそれぞれ投与し, 投与前後の血圧, 心拍出量及び各臓器血流量を測定した. Ketはα_1 遮断作用を併せもつので, α_1 遮断薬テラゾシン(Ter)についても同様の実験を行い, その作用を比較検討した. 《結果・考察》Ket及びTerは血圧低下, 心拍出量の軽度増加, 総末梢血管抵抗の低下を来した. しかし, Metは軽度の血圧低下を示した...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 1989, Vol.93 (2), p.102-102 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 意識下SHRの全身循環と臓器血流におよぼす抗セロトニン薬, ケタンセリン(Ket)とメチセルジド(Met)の効果について放射性ミクロスフェアー法を用いて検討を加えた. 《方法》SHRにKet(1mg/kg), Met(1mg/kg)を静脈カテーテルを介してそれぞれ投与し, 投与前後の血圧, 心拍出量及び各臓器血流量を測定した. Ketはα_1 遮断作用を併せもつので, α_1 遮断薬テラゾシン(Ter)についても同様の実験を行い, その作用を比較検討した. 《結果・考察》Ket及びTerは血圧低下, 心拍出量の軽度増加, 総末梢血管抵抗の低下を来した. しかし, Metは軽度の血圧低下を示した以外は影響を与えなかった. KetとTerの臓器血流に与える作用は類似していたが, 門脈領域及び腎臓の血流量の増加作用には明かな差が認められた. MetはKetと同様に門脈領域, 腎臓の血管抵抗を低下させたが, 骨格筋の血管抵抗の低下が著明であった. 以上の結果は, SHRにおいて消化管や腎臓の血管にセロトニン(5-HT)受容体が存在して血流制御に関与し, 5-HT_2 受容体は血管収縮に働くことを示唆する. |
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ISSN: | 0015-5691 |