牛脳のゴルジ体及びコート小胞分画にみられるα_2 -アドレナリン受容体

多くの神経伝達物質受容体は糖蛋白であり, その生合成や細胞内輸送の課程でゴルジ体において糖鎖が付加されることが予想される. コート小胞はそれら受容体のゴルジ体から形質膜への運搬や, 形質膜からの細胞内部への取り込みに関与していることが示唆されている. 今回, ウシ大脳皮質から分離したゴルジ体及びコート小胞におけるα_2 -アドレナリン受容体の有無及びその性質の異同を検討した. 結合実験は^^3 H-rauwolscine(RAW)^^3 H-clonidine(CLN)を用いて行った. (結果)ウシ大脳皮質より分離したゴルジ体及びコート小胞分画は^^3 H-RAWおよび^^3 H-CLNと特異...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 1989, Vol.93 (1), p.45-45
Hauptverfasser: 諸井佳代子, 宇佐美美穂子, 門田健, 久我哲郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:多くの神経伝達物質受容体は糖蛋白であり, その生合成や細胞内輸送の課程でゴルジ体において糖鎖が付加されることが予想される. コート小胞はそれら受容体のゴルジ体から形質膜への運搬や, 形質膜からの細胞内部への取り込みに関与していることが示唆されている. 今回, ウシ大脳皮質から分離したゴルジ体及びコート小胞におけるα_2 -アドレナリン受容体の有無及びその性質の異同を検討した. 結合実験は^^3 H-rauwolscine(RAW)^^3 H-clonidine(CLN)を用いて行った. (結果)ウシ大脳皮質より分離したゴルジ体及びコート小胞分画は^^3 H-RAWおよび^^3 H-CLNと特異的に結合した. その結合は飽和性であり可逆的であった. ^^3 H-RAW結合の場合, 見かけ上のKd値とBmax値はゴルジ体では2.5nM, 189fmol/mg蛋白であり, コート小胞では12nM, 68fmol/mg蛋白であった. 種々のagonists及びantagonistsによる置換実験は, ゴルジ体及びコート小胞への^^3 H-RAW, ^^3 H-CLN結合はα_2 受容体を標識していることを示した. これらの結果はウシ大脳皮質より得られたゴルジ体及びコート小脳中にはα_2 アドレナリン受容体が存在することを示した.
ISSN:0015-5691