新Tetrapeptide Asn-Ala-Gly-Alaの仮性疼痛反応抑制効果と自発運動量におよぼす影響について

1982年潘らによってヒト脳より単離, 同定された新tetrapeptide Asn-Ala-Gly-Ala(AAGA)投与時の機械熱, 化学刺激に対する仮性疼痛反応抑制効果および自発運動量におよぼす影響について検討した. 実験にはStd ddY系雄性マウスを用い, AAGAは脳室内(i.c.v.)に投与した. 仮性疼痛反応抑制効果の測定にはtail-pressure法, hot-plate法, およびphenylbenzoquinone writhing法を用い, 自発運動量の測定には回転カゴ法, および簡易運動量測定装置を用いmethamphetamine(MA)誘発性自発運動亢進作用にお...

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Hauptverfasser: 小坂卓哉, 桜田忍, 桜田司, 木皿憲佐, 佐々木有亮, 細野雅祐, 鈴木謙次
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:1982年潘らによってヒト脳より単離, 同定された新tetrapeptide Asn-Ala-Gly-Ala(AAGA)投与時の機械熱, 化学刺激に対する仮性疼痛反応抑制効果および自発運動量におよぼす影響について検討した. 実験にはStd ddY系雄性マウスを用い, AAGAは脳室内(i.c.v.)に投与した. 仮性疼痛反応抑制効果の測定にはtail-pressure法, hot-plate法, およびphenylbenzoquinone writhing法を用い, 自発運動量の測定には回転カゴ法, および簡易運動量測定装置を用いmethamphetamine(MA)誘発性自発運動亢進作用におよぼす影響を測定した. AAGAはi.c.v.投与後1分をピークに用量依存的な仮性疼痛反応抑制効果を示した. tail-pressure法においてピーク後45分に仮性疼痛反応抑制効果はコントロール値まで回復したが, hotplate法においては投与後60分においてもなお1124.6nmol投与群で50%, 1461.9nmolで60%の仮性疼痛反応抑制効果が認められ, 最大用量である1461.9nmol投与群ではコントロール値に回復するのに180分を要した. 仮性疼痛反応抑制効果はnaloxone前処理により明らかな拮抗作用を示した. 一方, 自発運動量に対してもAAGAは明らかな抑制傾向を示した. 特にMA誘発性自発運動亢進作用に対しAAGAは用量依存的な自発運動抑制効果を示し, その抑制効果はnaloxone 5.0mg/kg(i. p. )前処理により有意に拮抗された. 以上の結果よりAAGAは仮性疼痛反応抑制効果を持ち, またMA誘発性自発運動亢進作用をも抑制する効果が認められた. しかもその仮性疼痛反応抑制効果はnaloxoneによってかなり特異的に拮抗されたことよりopioid receptorを介して発現するものと考えられ, 更にMA誘発性自発運動亢進作用に対する抑制作用も一部opioid receptorが関与するものと思われる.
ISSN:0015-5691