肺癌による左完全無気肺の状態で発生した右気胸に対し手術を施行した1例

症例.49歳,男性.左上葉肺扁平上皮癌(cT4N2M0 stage IIIB)の診断で化学放射線療法を施行したが,効果判定で進行となり左完全無気肺の状態となっていた.右気胸を発症し,胸膜癒着療法を繰り返したが,気漏が続き当科紹介となった.気漏の程度から胸膜癒着療法による気漏の消失は不可能と判断し,手術の方針とした.CT所見から右上葉に多発しているブラが気漏部位として疑われたため,気管支ブロッカーチューブを用いて右肺上葉分離肺換気を行い,胸腔鏡補助下肺ブラ切除術を施行した.術中良好な視野を確保でき,術中血中酸素飽和度は低下せず,安全に手術を行うことが可能であった.術後胸腔ドレーンを抜去することが...

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Veröffentlicht in:気管支学 2023/03/25, Vol.45(2), pp.123-129
Hauptverfasser: 増田, 佳子, 日隈, 大徳, 白神, 慈, 松原, 恵理, 白石, 健治, 池田, 公英, 鈴木, 実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例.49歳,男性.左上葉肺扁平上皮癌(cT4N2M0 stage IIIB)の診断で化学放射線療法を施行したが,効果判定で進行となり左完全無気肺の状態となっていた.右気胸を発症し,胸膜癒着療法を繰り返したが,気漏が続き当科紹介となった.気漏の程度から胸膜癒着療法による気漏の消失は不可能と判断し,手術の方針とした.CT所見から右上葉に多発しているブラが気漏部位として疑われたため,気管支ブロッカーチューブを用いて右肺上葉分離肺換気を行い,胸腔鏡補助下肺ブラ切除術を施行した.術中良好な視野を確保でき,術中血中酸素飽和度は低下せず,安全に手術を行うことが可能であった.術後胸腔ドレーンを抜去することができ,QOLは改善した.結論.腫瘍による片側完全無気肺状態の患者に発症した対側気胸に対しても,胸膜癒着療法が奏効しない場合は手術療法を除外すべきではないと考えられた.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.45.2_123