喀痰細胞診が陽性であった末梢型肺腺癌の1例

背景.喀痰細胞診で検出される末梢型肺腺癌は稀である.症例.65歳男性.肺癌検診の喀痰細胞診で陽性と判定された.18fluorodeoxyglucoseを用いたポジトロンCT(FDG-PET)では左下葉S6末梢の囊胞に接する不整結節にFDG集積亢進があり,同部位を責任病変と判断して,気管支鏡検査を施行した.擦過細胞診で肺腺癌と診断し,胸腔鏡補助下左下葉切除術およびND2a-2リンパ節郭清術を施行した.病理組織診断は,腫瘍径21 mm,肺胞腔内に腫瘍細胞が房状に浮遊するように増生するmicropapillary adenocarcinomaであった.胸膜浸潤,脈管浸潤,リンパ管侵襲,リンパ節転移は...

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Veröffentlicht in:気管支学 2020/09/25, Vol.42(5), pp.403-407
Hauptverfasser: 中村, 祐太, 三浦, 隆, 德永, 裕一, 後藤, 昭彦, 橋本, 崇史, 秋月, 真一郎, 伊藤, 和信, 阿南, 健太郎, 宮脇, 美千代, 門田, 淳一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.喀痰細胞診で検出される末梢型肺腺癌は稀である.症例.65歳男性.肺癌検診の喀痰細胞診で陽性と判定された.18fluorodeoxyglucoseを用いたポジトロンCT(FDG-PET)では左下葉S6末梢の囊胞に接する不整結節にFDG集積亢進があり,同部位を責任病変と判断して,気管支鏡検査を施行した.擦過細胞診で肺腺癌と診断し,胸腔鏡補助下左下葉切除術およびND2a-2リンパ節郭清術を施行した.病理組織診断は,腫瘍径21 mm,肺胞腔内に腫瘍細胞が房状に浮遊するように増生するmicropapillary adenocarcinomaであった.胸膜浸潤,脈管浸潤,リンパ管侵襲,リンパ節転移は認めなかったが,術中胸腔内洗浄細胞診は陽性で病理病期はpT1cN0M0 stage IA3であった.術後5年5か月経過し,再発なく生存中である.結論.Micropapillary patternを呈したことが,末梢型腺癌でありながら喀痰細胞診陽性で発見された要因と考えられ,またFDG-PETが病変の同定に有用であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.42.5_403