25.鑑別診断に苦慮した偽中皮腫様腺癌と悪性胸膜中皮腫の2例(第128回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)

【症例1】86歳男性. 会社経営者・事務職. 重喫煙者. 2008年11月肺炎にて入院加療を行い炎症所見は改善した. しかし2007年10月の検診時に認めない胸膜病変が今回新たに出現. このため胸膜病変に隣接する肺内病変に対し気管支鏡下肺生検を行うも陰性所見であった. 胸膜中皮腫も疑われ, 2009年1月VATS施行された. 免疫染色などの病理学的所見から偽中皮腫様腺癌と診断された. 消化管精査で原発巣は同定されなかった. このため本症は肺を原発巣とする偽中皮腫様腺癌と考えられた. 【症例2】72歳男性. 石綿曝露歴あり. 2008年11月左胸水貯留精査目的にて入院. CT上は胸膜病変を認めな...

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Veröffentlicht in:気管支学 2009/07/25, Vol.31(4), pp.263
Hauptverfasser: 金, 俊之, 小山, ひかり, 大林, 王司, 滝澤, 始, 江口, 正信, 水口, 國雄, 藤野, 昇三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例1】86歳男性. 会社経営者・事務職. 重喫煙者. 2008年11月肺炎にて入院加療を行い炎症所見は改善した. しかし2007年10月の検診時に認めない胸膜病変が今回新たに出現. このため胸膜病変に隣接する肺内病変に対し気管支鏡下肺生検を行うも陰性所見であった. 胸膜中皮腫も疑われ, 2009年1月VATS施行された. 免疫染色などの病理学的所見から偽中皮腫様腺癌と診断された. 消化管精査で原発巣は同定されなかった. このため本症は肺を原発巣とする偽中皮腫様腺癌と考えられた. 【症例2】72歳男性. 石綿曝露歴あり. 2008年11月左胸水貯留精査目的にて入院. CT上は胸膜病変を認めなかったが, 胸水穿刺で得た細胞診の結果から, 典型的病理所見との報告があり悪性胸膜中皮腫と診断した. 胸膜病変の出現がCT上で同定されない, 非進行期と考えられた. 早期発見例の悪性胸膜中皮腫であり, 今後の予後改善の可能性を期待したい.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.31.4_263_3