3.甲状腺癌の気管浸潤に対しDumonステントを留置後10年目に再発切除を行った1例(第43回 日本呼吸器内視鏡学会北陸支部会)

83歳の女性, 主訴は前胸部腫脹. 1995年8月に甲状腺乳頭癌(T4aNOMO)に対し, 甲状腺亜全摘出術を施行した. 翌月に気管浸潤による気道狭窄を生じたためDumonステントを留置した. 2006年4月より胸部腫脹を認めた. 画像検査では気管ステントとその周囲の残存腫瘍および胸骨の骨破壊像, 軟部腫瘤形成を認めた. BF所見では, ステント内腔に全周性に気道分泌物が付着し内腔の狭小化を認めた. 手術は前胸部U字状切開アプローチにて胸骨に到達し腫瘍とともに胸骨を部分切除した. 病理組織診断では甲状腺癌の再発胸骨転移と診断された. 閉創の後, 全身麻酔状態のままBFを用いてステント内部の付着...

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Veröffentlicht in:気管支学 2007/01/25, Vol.29(1), pp.66
Hauptverfasser: 木内, 竜太, 矢鋪, 憲功, 斉藤, 裕, 古木, 勲, 河田, 将行, 伊藤, 宏保, 増田, 信二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:83歳の女性, 主訴は前胸部腫脹. 1995年8月に甲状腺乳頭癌(T4aNOMO)に対し, 甲状腺亜全摘出術を施行した. 翌月に気管浸潤による気道狭窄を生じたためDumonステントを留置した. 2006年4月より胸部腫脹を認めた. 画像検査では気管ステントとその周囲の残存腫瘍および胸骨の骨破壊像, 軟部腫瘤形成を認めた. BF所見では, ステント内腔に全周性に気道分泌物が付着し内腔の狭小化を認めた. 手術は前胸部U字状切開アプローチにて胸骨に到達し腫瘍とともに胸骨を部分切除した. 病理組織診断では甲状腺癌の再発胸骨転移と診断された. 閉創の後, 全身麻酔状態のままBFを用いてステント内部の付着物の洗浄#除去を施行した. 今回, 甲状腺癌の気管浸潤に対しDumonステントを留置後10年目に再発切除を行った1例を経験し, ステント内腔に気道分泌物の付着による狭窄を認め, BFによる分泌物除去処置の重要性を認識した. また, 10年経過後のDumonステントの耐性に問題はなかった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.29.1_66_3