悪性気道狭窄に対するスパイラルZステントの有用性-多施設共同試験

近年肺癌の罹患率は急速に増加しており, そのいずれかの時点で気道狭窄を生じることはしばしば経験される. また, 食道癌などの他臓器癌においても気道狭窄を来すことが多い. これら気道狭窄は, 著明な呼吸困難を生じQuality of Life(QOL)の低下をもたらす. 最近のビデオ装置の進歩と主に, 硬性気管支鏡や軟性気管支鏡の技術が向上してきた. これらを用いて, QOLの改善を目指した様々なステント治療が行われるようになってきた. 従来は, Dumon stent1に代表されるシリコンステントやUltraflex stent2によるステント留置が本邦において中心的位置を占めてきた. しかし...

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Veröffentlicht in:気管支学 2003, Vol.25 (8), p.632-636
Hauptverfasser: 多田弘人, 宮澤輝臣, 細川芳文, 滝口裕一, 坪井正博, 鈴木道明, 古川欣也, 桑原正喜, 荒木潤
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年肺癌の罹患率は急速に増加しており, そのいずれかの時点で気道狭窄を生じることはしばしば経験される. また, 食道癌などの他臓器癌においても気道狭窄を来すことが多い. これら気道狭窄は, 著明な呼吸困難を生じQuality of Life(QOL)の低下をもたらす. 最近のビデオ装置の進歩と主に, 硬性気管支鏡や軟性気管支鏡の技術が向上してきた. これらを用いて, QOLの改善を目指した様々なステント治療が行われるようになってきた. 従来は, Dumon stent1に代表されるシリコンステントやUltraflex stent2によるステント留置が本邦において中心的位置を占めてきた. しかし, シリコンステントでは硬性気管支鏡を必要とすることから全身麻酔を余儀なくされる. 一方, Ultraflex stentは軟性気管支鏡で挿入できることから, 患者に対する負担は少ないものの, 保険行政的立場から定価の約1/3の価格しか材料費を請求できないため各病院における使用には病院サイドからの大きな抵抗があった. 一方, Gianturco Z stent3は製品自体がいくつかの問題点を含んでいたため価格的には問題はなかったが, 汎用されることはなかった. 近年スパイラルZステントが上梓され, Gianturco Z stentから多くの点で改善が行われたが, このステントの有用性, 安全性に関しては何ら報告がなされておらず, 気道狭窄に対する治療成績についての調査が必要であると考えられていた. 今回, 日本においてステント治療を多く行っている施設を中心にスパイラルZステントの特別調査が行われたのでその結果を報告する.
ISSN:0287-2137