クロム酸塩にて誘導したラットの気管支病変とクロム蓄積量の検討(第25回日本気管支学会総会)
我々はヒトクロム肺癌について, P53の特異的異常やマイクロサテライト不安定性の高頻度の出現, DNA修復遺伝子蛋白hMLH1の発現異常を報告してきた. 今回, ラットの気管支にクロム酸塩を曝露させて得た気管支病変とクロムの蓄積量との関係を調べた. 生後12週の雄のJcl-Wistarラット15匹の気管支腔内にクロム酸塩のペレットを留置, 9ヶ月後に犠死させ気管支の病変を得た. それらのクロムの蓄積量をX線分析顕微鏡(XGT-2700, H0RIBA, 京都)により測定し病変の強さと対比した. 得られた気管支病変は次の通り. 扁平上皮癌1/15(7%), 異形成または上皮内癌7/15(47%)...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 2002/04/15, Vol.24(3), pp.237 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々はヒトクロム肺癌について, P53の特異的異常やマイクロサテライト不安定性の高頻度の出現, DNA修復遺伝子蛋白hMLH1の発現異常を報告してきた. 今回, ラットの気管支にクロム酸塩を曝露させて得た気管支病変とクロムの蓄積量との関係を調べた. 生後12週の雄のJcl-Wistarラット15匹の気管支腔内にクロム酸塩のペレットを留置, 9ヶ月後に犠死させ気管支の病変を得た. それらのクロムの蓄積量をX線分析顕微鏡(XGT-2700, H0RIBA, 京都)により測定し病変の強さと対比した. 得られた気管支病変は次の通り. 扁平上皮癌1/15(7%), 異形成または上皮内癌7/15(47%), 扁平上皮化生8/l5(53%), 杯細胞過形成5/15(33%). それぞれの病変におけるクロム蓄積量は次の通り. 正常上皮(n=24)0.500±1.354 S. D. (×1000cps), 杯細胞過形成(n=14)0.713±1.062, 扁平上皮化生(n=8)0.941±1.328, 異形成または上皮内癌(n=5)5.400±5.320, 扁平上皮癌(n=4)1.150±1.493. 異形成, 扁平上皮癌病変におけるクロム蓄積量は扁平上皮化生, 杯細胞過形成病変のそれに比べ, 有意に高値であった. ラットの気管支病変モデルを用いることでヒトクロム肺癌における発癌過程を明らかにできる可能性がある. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.24.3_237_4 |