肺抗酸菌症診断における気管支鏡術後痰細菌学的検査の有用性について

(目的)肺抗酸菌症の診断感度を向上させるため, 気管支鏡術後喀痰検査がしばしば行われるが, その有用性について検討した. (対象と方法)1998年1月9日から2000年12月10日までに, 当院で, 気管支鏡検査を受けた患者のうち, 気管支鏡下採取検体(経気管支的針吸引, 擦過, 気管支洗浄, 気管支吸引痰)および気管支鏡術後痰いずれかの細菌学検査(塗抹標本のZiehl-Neelsen染色, 抗酸菌8週培養, 結核菌DNA-PCR検査)が行われたのべ428例(入院患者/外来患者=135/293例)を検討の対象とした. (結果)43症例より, 肺抗酸菌が証明された. うち, 肺結核症は19例,...

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Veröffentlicht in:気管支学 2001, Vol.23 (3), p.69-69
Hauptverfasser: 渡辺励子, 滝口裕一, 猪狩英俊, 新行内雅斗, 森谷哲郎, 黒須克志, 潤間隆宏, 木村弘, 長尾啓一, 栗山喬之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:(目的)肺抗酸菌症の診断感度を向上させるため, 気管支鏡術後喀痰検査がしばしば行われるが, その有用性について検討した. (対象と方法)1998年1月9日から2000年12月10日までに, 当院で, 気管支鏡検査を受けた患者のうち, 気管支鏡下採取検体(経気管支的針吸引, 擦過, 気管支洗浄, 気管支吸引痰)および気管支鏡術後痰いずれかの細菌学検査(塗抹標本のZiehl-Neelsen染色, 抗酸菌8週培養, 結核菌DNA-PCR検査)が行われたのべ428例(入院患者/外来患者=135/293例)を検討の対象とした. (結果)43症例より, 肺抗酸菌が証明された. うち, 肺結核症は19例, 非定型抗酸菌症は24例であった. 胸部レントゲン写真異常影の性状は, 結節影を呈した213症例のうち7症例(うち肺結核症3例)が, 浸潤影を呈した134例のうち34例(うち肺結核症16例)が, 間質影を呈した57例のうち2例(肺結核症なし)が肺抗酸菌症と診断された. 無気肺を呈した15例の中には肺抗酸菌症は認めなかった. 気管支鏡術後痰のみで診断がついたのは, 浸潤影を呈した非定型抗酸菌症の2症例であった. (結論)気管支鏡術後痰による抗酸菌検査は, 胸部レントゲン写真上, 浸潤影を呈する症例で, 有用性が高いと思われた.
ISSN:0287-2137