カリニ肺炎診断における気管支鏡の有用性についての検討

〔目的〕カリニ肺炎は治療が遅れ重症化すると死亡率が高く, 早期診断及び早期治療が重要である. カリニ肺炎診断における気管支鏡検査の有用性について検討した. 〔対象・方法〕平成8年4月から平成12年1月までに気管支鏡により診断されたカリニ肺炎8例(男性3例, 女性5例, 平均年齢53.6歳)を対象に, 基礎疾患及び治療内容, 検査項目(TBLB, BALFカリニPCR, BALF細胞分画, β-Dグルカン, CT画像), 症状発現から気管支鏡検査及び診断までの期間, ARDS合併の有無及び転帰について検討した. 〔結果〕基礎疾患は肺癌2例, SLE2例, 悪性リンパ腫1例, IIP1例, 巣状糸...

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Veröffentlicht in:気管支学 2000, Vol.22 (3), p.62-62
Hauptverfasser: 貴嶋宏全, 大塚英彦, 中村貴幸, 松石純, 齋藤郁子, 大眉寿々子, 倉石博, 植島葉子, 河西富彦, 遠藤繁, 山田峰彦, 成島道昭, 鈴木一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:〔目的〕カリニ肺炎は治療が遅れ重症化すると死亡率が高く, 早期診断及び早期治療が重要である. カリニ肺炎診断における気管支鏡検査の有用性について検討した. 〔対象・方法〕平成8年4月から平成12年1月までに気管支鏡により診断されたカリニ肺炎8例(男性3例, 女性5例, 平均年齢53.6歳)を対象に, 基礎疾患及び治療内容, 検査項目(TBLB, BALFカリニPCR, BALF細胞分画, β-Dグルカン, CT画像), 症状発現から気管支鏡検査及び診断までの期間, ARDS合併の有無及び転帰について検討した. 〔結果〕基礎疾患は肺癌2例, SLE2例, 悪性リンパ腫1例, IIP1例, 巣状糸球体硬化症1例, 自己免疫性肝炎1例計8例で全例ステロイド治療中であった. TBLBにて7例中2例, BALFカリニPCRにて7例中7例陽性であった. BALF細胞分画では6例中リンパ球増加は4例, 好中球増加は2例にみられ1例は形質細胞増加を伴っていた. 気管支鏡検査までの期間は8-22日(平均12.8日), 5例は治療により軽快したが, 3例は死亡し, 診断期間の遅延はないもののARDSに陥った症例が2例みられていた. その他β-Dグルカン, CT画像はカリニ肺炎の補助診断として有用であった. 〔結語〕カリニ肺炎の診断においてTBLBよりBALFカリニPCRの陽性率が高く, TBLBが危険と思われる症例においてもBALにより診断が可能であった.
ISSN:0287-2137