末梢気管支粘膜の扁平上皮化生を呈した深在性真菌症合併透析患者の一症例
症例は28歳, 男性. 全身性エリテマトーデス(SLE)による腎機能低下で, 平成9年7月血液透析導入となった. 平成10年6月頃より39℃を超える熱発出現し当科入院となった. 抗生物質無効であり, また抗核抗体や抗DNA抗体, 補体価は正常でSLEの再燃も否定的であった. 末期腎不全患者は抗酸菌感染症を合併し易いことより同年11月気管支鏡を施行した. 肉眼的には末梢気管支粘膜の発赤, 白色粒状の隆起を伴う浮腫著明であり, 組織的には扁平上皮化生と診断されたが, 一般細菌, 真菌, 抗酸菌は検出されなかった. 診断的治療としての抗結核療法は無効であった. 血清β-D-glucanが80.5pg...
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1999, Vol.21 (3), p.109-109 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は28歳, 男性. 全身性エリテマトーデス(SLE)による腎機能低下で, 平成9年7月血液透析導入となった. 平成10年6月頃より39℃を超える熱発出現し当科入院となった. 抗生物質無効であり, また抗核抗体や抗DNA抗体, 補体価は正常でSLEの再燃も否定的であった. 末期腎不全患者は抗酸菌感染症を合併し易いことより同年11月気管支鏡を施行した. 肉眼的には末梢気管支粘膜の発赤, 白色粒状の隆起を伴う浮腫著明であり, 組織的には扁平上皮化生と診断されたが, 一般細菌, 真菌, 抗酸菌は検出されなかった. 診断的治療としての抗結核療法は無効であった. 血清β-D-glucanが80.5pg/mlと高値であったため深在性真菌症を疑い, 11月下旬よりフルコナゾール100mgの週3回透析後静注を始めたところ, 熱発は軽快, β-D-glucanとCRPの低下を認めた. 翌年1月気管支鏡再検, 末梢気管支粘膜における発赤浮腫消失をみた. 深在性真菌症の急性期に末梢気管支粘膜の扁平上皮化生を認め, 治療により消失したと思われる透析患者の症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 |