右上葉切除, R2aリンパ節郭清術後壊死性気管支炎を併発した1例
肺葉切除後合併症としての壊死性気管支炎の原因として, 感染症, 高頻度ジェット換気療法, 気管支動脈内抗癌剤注入, 放射線療法, スリーブ切除後などが報告されているが, 稀である. 今回, 右上葉切除後に壊死性気管支炎を併発した症例を経験したので報告する. 右S^3 _a 原発肺腺癌C-T2NOMO, Stage Iと診断された43歳男性の右上葉肺癌に対し, Neoadjuvant chemo the rapy{CDDP(80mg/平方メートル), VDS(3mg/平方メートル), MMC(8mg/平方メートル)}による化学療法を2サイクル行った後, 右上葉切除・R2aリンパ節郭清術を行った....
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Veröffentlicht in: | 気管支学 1993, Vol.15 (4), p.71-71 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 肺葉切除後合併症としての壊死性気管支炎の原因として, 感染症, 高頻度ジェット換気療法, 気管支動脈内抗癌剤注入, 放射線療法, スリーブ切除後などが報告されているが, 稀である. 今回, 右上葉切除後に壊死性気管支炎を併発した症例を経験したので報告する. 右S^3 _a 原発肺腺癌C-T2NOMO, Stage Iと診断された43歳男性の右上葉肺癌に対し, Neoadjuvant chemo the rapy{CDDP(80mg/平方メートル), VDS(3mg/平方メートル), MMC(8mg/平方メートル)}による化学療法を2サイクル行った後, 右上葉切除・R2aリンパ節郭清術を行った. さらに, 下葉支周囲リンパ節も郭清し, 有茎心膜周囲脂肪組織にて気管支断端を被覆し手術を終了した. 術後経過良好であったが, 術後10日目の気管支鏡にて右中幹気管支以下の壊死性気管支炎を認めた. 経過観察にて術後20日目に改善傾向を示し, 術後60日目に治癒した. 本例はNeoadjuvant chemo the rapyを行っているが, 壊死性気管支炎との直接的な因果関係は不明であり, 現在までの報告例を見ると全身的な因子よりも局所的な因子が壊死性気管支炎の発生に関係があるように思われる. 肺切除に際し気管支の剥離は最小限にとどめる事が気管支動脈循環に対しては原則であるが, 肺癌をはじめとする悪性腫瘍に対しては, 系統的でかつ広範囲なリンパ節郭清が必要である. このようなリンパ節郭清は気管支動脈血流温存とは相反するものである. 壊死性気管支炎の範囲が広いにも関わらず, 致命的な合併症とならなかったのは心膜周囲脂肪織による気管支断端周囲被覆が血流温存の一助となったと考える. |
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ISSN: | 0287-2137 |