肺過誤腫診断における経気管支肺生検の意義

目的:肺過誤腫診断における経気管支肺生検(TBLB)の有用性, 問題点を明らかにする. 対象:過去1年間に当科で過誤腫と診断した3例. 結果:性別は男2例, 女1例. 年令は50歳, 56歳, 70歳. 発見動機は検診あるいは他疾患治療中に偶然発見され全例自覚症状はない. 大きさは1-2.5cm, 部位は左S^9 右S^2 左S^5 の末梢で, 1例は他部位にも結節影が認められた. 診断にいたるまでのTBLB施行回数は1回2例, 2回1例. 組織所見では全例にlooseな結合組織と間葉系細胞の増生が見られ, 2例に脂肪組織がみられた. 1例で軟骨様部分がみられたが, 明らかな軟骨成分は全例認め...

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Veröffentlicht in:気管支学 1993, Vol.15 (4), p.34-34
Hauptverfasser: 三島秀康, 萩原千恵子, 善場元美, 佐野光一, 熊崎智司, 高山俊政, 平井三郎, 石原照夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:肺過誤腫診断における経気管支肺生検(TBLB)の有用性, 問題点を明らかにする. 対象:過去1年間に当科で過誤腫と診断した3例. 結果:性別は男2例, 女1例. 年令は50歳, 56歳, 70歳. 発見動機は検診あるいは他疾患治療中に偶然発見され全例自覚症状はない. 大きさは1-2.5cm, 部位は左S^9 右S^2 左S^5 の末梢で, 1例は他部位にも結節影が認められた. 診断にいたるまでのTBLB施行回数は1回2例, 2回1例. 組織所見では全例にlooseな結合組織と間葉系細胞の増生が見られ, 2例に脂肪組織がみられた. 1例で軟骨様部分がみられたが, 明らかな軟骨成分は全例認められなかった. 第1例はTBLB後, 部分切除を施行したが, 他の2例は大きさ, 年令, 基礎疾患を考慮に入れて経過観察している. 考案:従来肺過誤腫は経皮肺生検か開胸肺生検で診断されてきたが, TBLBでも臨床経過, 画像所見を総合して診断が可能である. 過誤腫としての診断に必要な組織所見, 診断後の治療方針など検討すべき点も少なくないが, TBLBによる情報は治療方針決定に有用と考えられる. 結語:過誤腫が疑われる症例にも積極的にTBLBを施行すべきである.
ISSN:0287-2137