前装冠用硬質レジンの色調安定性について
近年, 前装冠用硬質レジンは広く臨床で用いられているが, 色調の観点からみるとセラミックス系材料に比べて十分満足のいくものとは言えず, 色調安定性の向上が望まれている. 演者らは, 市販されている6種類の前装冠用硬質レジンについて, コーヒー液中に浸漬した場合の経時的な色調の変化を検討し, 第103回日本補綴歯科学会学術大会で報告した. その結果, いずれの製品もコーヒー液浸漬による色調の変化は顕著であり, 長期の色調安定性を得るためには硬質レジンの組成や重合方法, 表面処理法などの検討が必要であると思われた. 本研究では, 測色試験に用いた4週間コーヒー液浸漬後の試料表面の硬さを測定し, 表...
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Veröffentlicht in: | 昭和歯学会雑誌 2000, Vol.20 (4), p.500-500 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 前装冠用硬質レジンは広く臨床で用いられているが, 色調の観点からみるとセラミックス系材料に比べて十分満足のいくものとは言えず, 色調安定性の向上が望まれている. 演者らは, 市販されている6種類の前装冠用硬質レジンについて, コーヒー液中に浸漬した場合の経時的な色調の変化を検討し, 第103回日本補綴歯科学会学術大会で報告した. その結果, いずれの製品もコーヒー液浸漬による色調の変化は顕著であり, 長期の色調安定性を得るためには硬質レジンの組成や重合方法, 表面処理法などの検討が必要であると思われた. 本研究では, 測色試験に用いた4週間コーヒー液浸漬後の試料表面の硬さを測定し, 表面の硬さと色差との関連について検討した. 硬さ試験にはアカシ社製微小硬さ試験機を用い, 荷重値200gf, 荷重時間15秒でビッカース硬さを測定した. 測定の結果, エナメル色における硬さの最小値はデンタカラーのガラス面で20,最大値はアイサイトの研磨面で51であり, デンティン色における最小値はデンタカラーのガラス面で22,最大値はセシードIIの研磨面で73であった. 製品によって硬さに違いがみられたが, いずれの製品も研磨面がガラス面に比べて若干大きな値を示しており, また, セシードIIのエナメル色とアイサイト以外はメーカー公表値とほぼ同じ硬さを示していた. 表面の硬さと色差との関連について製品ごとにみると, 研磨面がガラス面に比べて大きな硬さを示し, 色差も小さかったことから, 同一製品内では表面が硬いほうが色調の変化が小さくなるように思われた. しかし, 製品間で見るとエナメル色, デンティン色ともにかならずしも硬さの大きな製品の色差が小さいとは限らず, 製品ごとに特徴があることがわかった. |
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ISSN: | 0285-922X |