長期入院統合失調症患者の退院意向と個人因子—Defeatist Beliefsと陰性症状の検討

要旨:我が国の調査では,長期入院統合失調症患者のうち20〜50%は退院意向を示さないとされ,厚生労働省は,「退院に向けた意欲の喚起」を強調している.本研究では,長期入院統合失調症患者の退院意向に関連する個人因子を明らかにする目的で,精神科病院に1年以上入院している統合失調症患者50名を対象に,退院意向質問紙,将来への否定的自己評価であるDefeatist Beliefsおよび陰性症状を横断的に評価した.その結果,Defeatist Beliefsは退院を示さない群において有意に重度で(p=0.001),交絡因子を含めても有意な関連が認められた(p=0.01).本結果により,退院意向を示さない統...

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Veröffentlicht in:作業療法 2019/06/15, Vol.38(3), pp.314-324
Hauptverfasser: 渡部 誠一, 杉原 素子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:我が国の調査では,長期入院統合失調症患者のうち20〜50%は退院意向を示さないとされ,厚生労働省は,「退院に向けた意欲の喚起」を強調している.本研究では,長期入院統合失調症患者の退院意向に関連する個人因子を明らかにする目的で,精神科病院に1年以上入院している統合失調症患者50名を対象に,退院意向質問紙,将来への否定的自己評価であるDefeatist Beliefsおよび陰性症状を横断的に評価した.その結果,Defeatist Beliefsは退院を示さない群において有意に重度で(p=0.001),交絡因子を含めても有意な関連が認められた(p=0.01).本結果により,退院意向を示さない統合失調症患者の退院への意欲喚起には,心理社会的介入の重要性が示唆された.
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.38.3_314