CT上isodensityを示した小脳虫部類皮腫の1例

症例は67歳男性で, 1983年7月頃より始まった下肢の脱力, 歩行障害を主訴として来院した. 初診時, 軽度の左小脳失調症状がみられた. CT scanでは小脳虫部から左小脳半球内に石灰化を伴うisodensity massが認められ周囲にわずかにenhancementが存在した. 椎骨動脈撮影ではavascular massであった. 手術により腫瘍は頭髪, コレステリン結晶などを含んだdermoidと判明した. Dermoid cystは全脳腫瘍の0.1~0.7%と比較的少ない腫瘍で, 多くの場合epidermoidと同じくlow densityを示すといわれており, isoまたはhig...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.253-253
Hauptverfasser: 西田正博, 西村茂, 江本克也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は67歳男性で, 1983年7月頃より始まった下肢の脱力, 歩行障害を主訴として来院した. 初診時, 軽度の左小脳失調症状がみられた. CT scanでは小脳虫部から左小脳半球内に石灰化を伴うisodensity massが認められ周囲にわずかにenhancementが存在した. 椎骨動脈撮影ではavascular massであった. 手術により腫瘍は頭髪, コレステリン結晶などを含んだdermoidと判明した. Dermoid cystは全脳腫瘍の0.1~0.7%と比較的少ない腫瘍で, 多くの場合epidermoidと同じくlow densityを示すといわれており, isoまたはhigh densityを呈するものはわずか3例しか報告されていない. 原因としては, 出血などによるcyst内容の鉄含有量, 蛋白量増加が挙げられており, 本症例においても組織内にhemosiderinの沈着が認められたことより, 出血により症状が悪化しCT上isodensityを呈したものと推測した.
ISSN:0470-8105