緩解増悪をくり返したcryptococcal meningitisの1例

Cryptococcusは中枢神経系に強い親和性を有し, 人の真菌性髄膜炎の中でも最も発生頻度の高い難治性の髄膜炎を引き起こす真菌として知られている. 今回我々は, 13年間にわたり症状の緩解増悪をくり返し, 肺炎を併発して死亡した1例を経験した. 症例は60歳男性で, 水頭症を伴っており, V-P shuntが症状の改善に非常に有用であったが, 頻回にわたるshunt troubleをくり返し, 最終的には腹壁の広範な癒着のため長期間にわたる腹側tubeの体外ドレナージを余儀なくされた. 診断確定後より5-FC8gを投与したが, 経過途中より, 髄液中より再びcryptococcusが同定さ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1983, Vol.23 (suppl), p.210-211
Hauptverfasser: 斎藤裕次, 加藤幸雄, 吉本尚規, 梶原四郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:Cryptococcusは中枢神経系に強い親和性を有し, 人の真菌性髄膜炎の中でも最も発生頻度の高い難治性の髄膜炎を引き起こす真菌として知られている. 今回我々は, 13年間にわたり症状の緩解増悪をくり返し, 肺炎を併発して死亡した1例を経験した. 症例は60歳男性で, 水頭症を伴っており, V-P shuntが症状の改善に非常に有用であったが, 頻回にわたるshunt troubleをくり返し, 最終的には腹壁の広範な癒着のため長期間にわたる腹側tubeの体外ドレナージを余儀なくされた. 診断確定後より5-FC8gを投与したが, 経過途中より, 髄液中より再びcryptococcusが同定されたためAmphotericin Bとの併用を行ったが, 傾眠傾向が強くなり, 寝たきりの状態となった. Cryptococcal meningitisに対しては早期診断, 早期における強力な治療が望まれる.
ISSN:0470-8105