白血病および胃癌の頭蓋内出血性病変

頭蓋内出血病変を合併した白血病4例と, 骨転移を有する胃癌4例を報告した. 白血病はいずれも骨髄性であり急性2例慢性2例で, 3例は脳内多発性小出血像を呈し, うち2例の剖検所見では脳内腫瘍細胞浸潤の周囲に出血を有し, 小血管内栓塞を示す部位には出血像を認めなかった. 3例とも脳症状を呈してから短時間で死の転帰をとった. 急性硬膜下血腫を呈した1例は術後6ヵ月間生存した. 剖検では小脳クモ膜下腔に腫瘍細胞が充満していた. 胃癌の4例は全例慢性硬膜下血腫であり, CT上血腫を証明したとき全例に骨転移とDICの所見を有していた. ムチン産生の増加により転移が高まり, 癌そのものが凝固機能を高めDI...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1982, Vol.22 (suppl), p.108-108
Hauptverfasser: 天野嘉之, 水谷哲郎, 高野橋正好, 石山純三, 桜井剛, 白坂有利, 野田明孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭蓋内出血病変を合併した白血病4例と, 骨転移を有する胃癌4例を報告した. 白血病はいずれも骨髄性であり急性2例慢性2例で, 3例は脳内多発性小出血像を呈し, うち2例の剖検所見では脳内腫瘍細胞浸潤の周囲に出血を有し, 小血管内栓塞を示す部位には出血像を認めなかった. 3例とも脳症状を呈してから短時間で死の転帰をとった. 急性硬膜下血腫を呈した1例は術後6ヵ月間生存した. 剖検では小脳クモ膜下腔に腫瘍細胞が充満していた. 胃癌の4例は全例慢性硬膜下血腫であり, CT上血腫を証明したとき全例に骨転移とDICの所見を有していた. ムチン産生の増加により転移が高まり, 癌そのものが凝固機能を高めDICが起こりやすくなり, 転移のある硬膜からの出血を容易にすると考えられる. 3例に穿頭による血腫洗滌を行ったが, 全例1~2週間でDICが進行し死の転帰をとった. 剖検は1例に得られ, 硬膜に癌腫の転移を認めた. 脳内の転移は認めなかった.
ISSN:0470-8105