並進加速度衝撃による一次脳幹損傷死

並進加速度衝撃により脳損傷が発生することは, Denny-Brown(1941), Gurdjianら(1943)以来報告されてきたが, 最近Ommayaら(1974)は脳損傷を発生させるのに必須な剪力は, 回転加速度衝撃により発生するものであり, 並進加速度衝撃による脳挫傷の発生に疑問をなげかけている. 1975年, 私どもはサルの頭蓋長軸方向に並進加速度衝撃(1,000~1,500G, 3~5msec)を加えたところ, 頭蓋内血腫, 脳挫傷を伴わずに, 中脳より延髄の範囲に電顕上での細胞レベルの障害と著しい微少循環障害を認め, 呼吸・循環障害を伴い死亡する事実を知った(Tsubokawa...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1979, Vol.19 (3), p.287-301
Hauptverfasser: 坪川孝志, 片山容一, 西本博, 村上哲夫, 山田実紘, 田熊規方, 宮上光祐, 林成之, 森安信雄, 松野正徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:並進加速度衝撃により脳損傷が発生することは, Denny-Brown(1941), Gurdjianら(1943)以来報告されてきたが, 最近Ommayaら(1974)は脳損傷を発生させるのに必須な剪力は, 回転加速度衝撃により発生するものであり, 並進加速度衝撃による脳挫傷の発生に疑問をなげかけている. 1975年, 私どもはサルの頭蓋長軸方向に並進加速度衝撃(1,000~1,500G, 3~5msec)を加えたところ, 頭蓋内血腫, 脳挫傷を伴わずに, 中脳より延髄の範囲に電顕上での細胞レベルの障害と著しい微少循環障害を認め, 呼吸・循環障害を伴い死亡する事実を知った(Tsubokawa et al. 1975).
ISSN:0470-8105