重症脳損傷による上部消化管出血の脳病変との関連と治療対策

脳病変に原因する上部消化管出血は, John Hunterが1772年, 頭部外傷で死亡した患者の剖検時に, 急性の胃粘膜病変のみられたことをgastromalaciaと呼んだのを初めとし, 1842年, Rokitanskyによっても記載された. さらに, 1932年, Cushingが脳損傷の局在と潰瘍の発生条件について報告して以来, 脳病変による胃潰瘍はCushing ulcerといわれてきた. その後本症の発生機序について, 多くの実験的, 臨床的検索が行われているが, 今日なお, Cushingの視床下部および副交感神経系の刺激による胃酸分泌亢進と, Frenchの交感神経刺激効果に...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1978, Vol.18 (11), p.821-829
Hauptverfasser: 山田実紘, 坪川孝志, 上野裕壱, 篠崎秀雄, 森安信雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳病変に原因する上部消化管出血は, John Hunterが1772年, 頭部外傷で死亡した患者の剖検時に, 急性の胃粘膜病変のみられたことをgastromalaciaと呼んだのを初めとし, 1842年, Rokitanskyによっても記載された. さらに, 1932年, Cushingが脳損傷の局在と潰瘍の発生条件について報告して以来, 脳病変による胃潰瘍はCushing ulcerといわれてきた. その後本症の発生機序について, 多くの実験的, 臨床的検索が行われているが, 今日なお, Cushingの視床下部および副交感神経系の刺激による胃酸分泌亢進と, Frenchの交感神経刺激効果による血管攣縮による局所循環障害とにより, 消化性潰瘍が惹起されるという説に加えるべきものがないのが現状である.
ISSN:0470-8105