高血圧性脳出血の外科的治療

高血圧性脳出血の外科的治療は今世紀はじめより行なわれているが, 現在, 尚多くの問題が残されている. これは, 本症が高令者に多く, しかも高血圧ないし動脈硬化を基礎疾患とし, 出血が生命ならびに機能予後に直接影響を及ぼす内包, 基底核あるいは間脳に好発するためである. しかもその外科的治療は1903年Cushing2)以来, 長い歴史を有するにもかかわらず, 諸家の自験例数が少なく, 治療成績を論ずるに足る例数をうるようになったのは1960年頃からであり, 100例を越す報告はMcKissockら8), Paillas&Alliezら13) 2,3に過ぎない. このため著者らは, 教...

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Veröffentlicht in:Neurologia medico-chirurgica 1976, Vol.16 (1), p.19-27
Hauptverfasser: 金谷春之, 西村謙一, 斉木巌, 小穴勝磨, 大内忠雄, 山口一彦, 湯川英機, 和田進, 佐藤紀嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高血圧性脳出血の外科的治療は今世紀はじめより行なわれているが, 現在, 尚多くの問題が残されている. これは, 本症が高令者に多く, しかも高血圧ないし動脈硬化を基礎疾患とし, 出血が生命ならびに機能予後に直接影響を及ぼす内包, 基底核あるいは間脳に好発するためである. しかもその外科的治療は1903年Cushing2)以来, 長い歴史を有するにもかかわらず, 諸家の自験例数が少なく, 治療成績を論ずるに足る例数をうるようになったのは1960年頃からであり, 100例を越す報告はMcKissockら8), Paillas&Alliezら13) 2,3に過ぎない. このため著者らは, 教室における過去14年間の外科的治療成績を, 手術死亡率および遠隔成績より追究したので報告する. 研究方法 症例 昭和35年より49年までの14年間に教室で取り扱った高血圧性脳出血は251例である. このうち外科的治療は193例, 保存的治療は58例である. 従って手術施行率は76.9%である. 本研究は, 剖検或いは手術により確認しえた一次, 二次性橋出血および一次性脳室出血19例を除外した大脳出血174例の外科的治療の成績について検討したものである.
ISSN:0470-8105