表在性舌癌に対するレーザー手術の臨床的研究
神戸大学医学部附属病院歯科口腔外科で, 1981年から2002年の間にレーザーにて舌部分切除術を行った舌扁平上皮癌の新鮮例37例のうち, 切除標本において筋層浸潤を認めなかった表在性舌癌は22例であった. T分類はT1:18例, T2:4例で, 性別は男性13例, 女性9例, 年齢は31歳から76歳で平均60. 7歳であった. レーザー手術は術中の止血が良好で, 電気メスと異なり切開時の筋組織の攣縮もなく病変を正確に切除できた. 周囲組織への侵襲が少ないため術後の疼痛や浮腫は軽度で, 機能障害は認められなかった. 再発は2例(9. 1%), 後発転移は1例(4. 5%)に認められた. 再発症例...
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Veröffentlicht in: | 日本レーザー医学会誌 2003-09, Vol.24 (3), p.260-260 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 神戸大学医学部附属病院歯科口腔外科で, 1981年から2002年の間にレーザーにて舌部分切除術を行った舌扁平上皮癌の新鮮例37例のうち, 切除標本において筋層浸潤を認めなかった表在性舌癌は22例であった. T分類はT1:18例, T2:4例で, 性別は男性13例, 女性9例, 年齢は31歳から76歳で平均60. 7歳であった. レーザー手術は術中の止血が良好で, 電気メスと異なり切開時の筋組織の攣縮もなく病変を正確に切除できた. 周囲組織への侵襲が少ないため術後の疼痛や浮腫は軽度で, 機能障害は認められなかった. 再発は2例(9. 1%), 後発転移は1例(4. 5%)に認められた. 再発症例の臨床型はビラン型と白斑型であった. 後発転移症例は再発症例で頚部非制御のため原病死した. 舌癌に対するレーザー舌部分切除は表在性癌であればT分類に関係なく術後の機能障害を残さず切除可能と思われた. しかし, 腫瘍の取り残しをなくすためには腫瘍の拡がりや浸潤の深さに対する精度の高い画像診断が必須であると思われた. 現在, われわれは腫瘍の拡がりに関する診断はルゴール染色とトルイジンブルー染色を併用した生体染色法を用い, 浸潤の深さに対する診断は術中エコーや迅速診断を用いている. しかし, これらの診断法は必ずしも確実とはいえず, さまざまな分野での診断の向上に対する技術の開発が望まれる. |
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ISSN: | 0288-6200 |