3. 当院の時間外輸血検査における課題解決への取り組み

【はじめに】当院では多くの輸血担当外検査技師の協力下, 輸血業務の24時間体制を2001年10月から導入しているが, 第52回日本輸血・細胞治療学会北海道支部会例会で報告したようにさまざまな課題を抱えていた. 問題とされていた課題への解決に向けて取り組んできたのでその方法と効果について検討した. 【方法・結果】これまで時間外の交差適合試験は, 試験管法での生食法とIgGカードへの手分注によるMTSで実施しており, 判定も目視で実施していた. 手技が煩雑な上微妙な判定に迷う技師が多く, 不安が大きかったのが最大の課題であった. この対策の第一ステップとして2010年4月より時間外でも不規則抗体検...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2012, Vol.58 (1), p.57-58
Hauptverfasser: 櫻澤貴代, 石岡聡子, 伊藤誠, 米岡麻記, 渡邊千秋, 澁谷斉, 重松明男, 清水力
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】当院では多くの輸血担当外検査技師の協力下, 輸血業務の24時間体制を2001年10月から導入しているが, 第52回日本輸血・細胞治療学会北海道支部会例会で報告したようにさまざまな課題を抱えていた. 問題とされていた課題への解決に向けて取り組んできたのでその方法と効果について検討した. 【方法・結果】これまで時間外の交差適合試験は, 試験管法での生食法とIgGカードへの手分注によるMTSで実施しており, 判定も目視で実施していた. 手技が煩雑な上微妙な判定に迷う技師が多く, 不安が大きかったのが最大の課題であった. この対策の第一ステップとして2010年4月より時間外でも不規則抗体検査を実施することとし, 溶血性副作用の可能性を把握することとした. 第二ステップとして輸血検査自動機器を更新し, 試験管法での生食法とIgGカセットによる交差適合試験の自動化を導入した. 交差試験用分注血漿検体とセグメント情報を紐付けして機器にオーダとして送信し, 自動判定された結果をオンラインで取り込むことにより技師の負担も軽減された. また不規則抗体検査が必要な場合, 交差適合試験と共に自動的に実施される仕組みとした. 次の課題として時間外担当者へのマニュアルの整備があった. 当院検査・輸血部は2005年9月に当初検査部としてISO15189認定を受けており, その後輸血部が統合され, 2009年9月の認定更新時に輸血検査項目も認定されている. これに伴い全ての輸血業務に関しての文書化と記録の整備を行った. 時間外業務に関しても手順書並びに標準作業書を整備し, それに基づく共通した手順での検査が実施されている. また継続的な教育も実施している. 【考察】通常携わっていない業務の上, 常に的確な判断や対応が求められる輸血時間外検査においては, 担当する技師の不安や煩雑な作業をいかに軽減するかで, 結局は患者の安全に繋がると考える.
ISSN:1881-3011