ハプトグロビン欠損者検出のための簡便なELISA法の開発

背景:ハプトグロビン(Hp)欠損は, 国内における輸血アナフィラキシー発生の一因と考えられている. 目的:サンドイッチELISAを用いた簡便なHp欠損の検出法を検討する. 方法:被検患者血清, コントロール血清, スタンダードHpを, ウサギ抗ヒトHpポリクローナル抗体を固相化したマイクロプレートに添加して, 10分間反応させ, プレートを洗浄後, 結合したHpをHRP標識抗ヒトHpヤギ血清およびTMB基質で検出した. 被検血清とスタンダードHpの示す吸光度を比較して患者がHp欠損か否かを判定した. 結果:上記の方法で, 血清中に存在する3μg/dL以上の濃度のHpを検出できた. また, ピー...

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Veröffentlicht in:日本輸血細胞治療学会誌 2006, Vol.52 (4), p.493-500
Hauptverfasser: 嶋田英子, 伊佐和美, 前田伊規子, 鎌田裕美, 橋本志歩, 渡辺嘉久, 松田利夫, 岡崎 仁, 十字猛夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:ハプトグロビン(Hp)欠損は, 国内における輸血アナフィラキシー発生の一因と考えられている. 目的:サンドイッチELISAを用いた簡便なHp欠損の検出法を検討する. 方法:被検患者血清, コントロール血清, スタンダードHpを, ウサギ抗ヒトHpポリクローナル抗体を固相化したマイクロプレートに添加して, 10分間反応させ, プレートを洗浄後, 結合したHpをHRP標識抗ヒトHpヤギ血清およびTMB基質で検出した. 被検血清とスタンダードHpの示す吸光度を比較して患者がHp欠損か否かを判定した. 結果:上記の方法で, 血清中に存在する3μg/dL以上の濃度のHpを検出できた. また, ピークレートネフェロメトリー法で血清Hp含量が5mg/dL以下と測定された患者の中から, 先天性のHp欠損者を検出することができた. 判定は肉眼でも可能であった. 結論:本法は, 操作が簡便で, 検出感度が高い. 本法を用いれば先天性Hp欠損者と二次的に血中Hp含量が減少した患者の鑑別が可能である. 頻回輸血を必要とする患者の輸血時のアナフィラキシー発生の予防や, 将来のHp欠損者のためのドナープールの作製に有用な方法と思われる.
ISSN:1881-3011
DOI:10.3925/jjtc.52.493