日本人のRhDelアリルとその遺伝子タイピング法

RhD抗原陰性(D陰性)のほとんどはRHD遺伝子の欠失によるが, 日本人ではD陰性者の約10%がRHD遺伝子を持っている. このRHD遺伝子を持つD陰性(D-RHD+)はRhCe陽性のD陰性者で頻度が高く, また血清学的に精査するとD-RHD+はD陰性ではなく, 極めて弱いD抗原性を示すDel型である可能性が高いことも報告されている1). Rh抗原の遺伝子タイピングは, 血清学的には困難な抗原の同定や精度の向上に有益であるが, 確度の高い遺伝子タイピング法を確立するためにはD-RHD+がD抗原を発現しない原因を明らかにする必要がある. 今回日本人のD-RHD+検体から頻度の高い遺伝子変異を見つ...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2004/11/10, Vol.50(5), pp.710-713
Hauptverfasser: 石川, 善英, 常山, 初江, 内川, 誠, 佐竹, 正博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:RhD抗原陰性(D陰性)のほとんどはRHD遺伝子の欠失によるが, 日本人ではD陰性者の約10%がRHD遺伝子を持っている. このRHD遺伝子を持つD陰性(D-RHD+)はRhCe陽性のD陰性者で頻度が高く, また血清学的に精査するとD-RHD+はD陰性ではなく, 極めて弱いD抗原性を示すDel型である可能性が高いことも報告されている1). Rh抗原の遺伝子タイピングは, 血清学的には困難な抗原の同定や精度の向上に有益であるが, 確度の高い遺伝子タイピング法を確立するためにはD-RHD+がD抗原を発現しない原因を明らかにする必要がある. 今回日本人のD-RHD+検体から頻度の高い遺伝子変異を見つけ, その簡便なDNAタイピング法を開発したので報告する. 検体および方法 Rh抗原の血清学的判定, cDNA, genomic DNAの調整, RHDの検出, 塩基配列の決定法はすでに報告した方法2)を用いた. Del型の判定はモノクローナル抗D抗体(Ortho Diagnostic KK)とElu-kit II(Gamma Biologicals)を用い, 吸着解離法にて行った. 今回用いたCe陽性D陰性68検体のうち, 31検体はRHD intron 4, exon 7, 10特異的プライマーを用いたPCR-SSP法2)によりRHDを持つ(D-RHD+)と判定された.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.50.710