HLA適合造血細胞移植におけるマイナー組織適合抗原不一致の重要性

マイナー組織適合抗原(mHa)はHLA一致の造血細胞移植例において, 移植免疫反応を惹起する組織適合性抗原の総称である. Goulmyらによって先駆的に研究されたHA-1はHLA-A*0201に拘束性で, 血液細胞上にのみ発現するペプチドとして同定単離された1). 移植片対宿主方向にHA-1が不一致な患者においては移植片対宿主病(GVHD)の発症率が高いことが報告されている2)~4). また, 佐治, 丸屋らはGVHD発症と接着分子の多型性との関係を検討し, いくつかの多型性がimmunodominantなmHaである可能性を報告している5). 最近, このmHaの不一致が再発予防効果において...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 2003/12/01, Vol.49(6), pp.749-752
Hauptverfasser: 佐藤, 英洋, 近藤, 静佳, 加藤, 留美, 安江, 静香, 中尾, 眞二, 塩原, 信太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:マイナー組織適合抗原(mHa)はHLA一致の造血細胞移植例において, 移植免疫反応を惹起する組織適合性抗原の総称である. Goulmyらによって先駆的に研究されたHA-1はHLA-A*0201に拘束性で, 血液細胞上にのみ発現するペプチドとして同定単離された1). 移植片対宿主方向にHA-1が不一致な患者においては移植片対宿主病(GVHD)の発症率が高いことが報告されている2)~4). また, 佐治, 丸屋らはGVHD発症と接着分子の多型性との関係を検討し, いくつかの多型性がimmunodominantなmHaである可能性を報告している5). 最近, このmHaの不一致が再発予防効果においても重要であり, 特に血液細胞上に発現しているmHaは, 白血病細胞を除去し再発を予防する抗白血病効果の標的抗原ではないかと考えられている6). そこで我々は, GVHD発症の標的抗原としてこれまで報告されている検査可能な5種類のmHaと, 性別とHLAから推定可能な4種類のY染色体特異抗原(H-Y抗原)の合計9種類のmHaアレルを決定し, アレルの不一致の有無が抗白血病効果とGVHD発症に与える影響を検討した.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.49.749