妊産婦から検出したPartial DVaの1例
「目的」妊産婦のRh_a (D)検査は, 抗D抗体の産生による新生児溶血性疾患を防止するうえで重要である. 今回, 妊婦のRHo(D)検査からPartial D Vaを検出したので報告する. 「症例」 27才の妊産婦. 妊娠腫1回(流産)で輸血歴はなく特別な既往はない. 国籍はガーナである. 平成11年8月30日(21週)に子宮口開大と子宮頸管無力症のため, 他院より当院に入院した. 「免疫学的検査結果」ABO式はB型, 不規則性抗体(+)で抗Le^a 及び抗Le^b を検出した. また, 直接抗グロブリン試験(-)であった. Rh_a(D)型は, モノクローナル抗D(モノ抗D)とポリクローナ...
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Zusammenfassung: | 「目的」妊産婦のRh_a (D)検査は, 抗D抗体の産生による新生児溶血性疾患を防止するうえで重要である. 今回, 妊婦のRHo(D)検査からPartial D Vaを検出したので報告する. 「症例」 27才の妊産婦. 妊娠腫1回(流産)で輸血歴はなく特別な既往はない. 国籍はガーナである. 平成11年8月30日(21週)に子宮口開大と子宮頸管無力症のため, 他院より当院に入院した. 「免疫学的検査結果」ABO式はB型, 不規則性抗体(+)で抗Le^a 及び抗Le^b を検出した. また, 直接抗グロブリン試験(-)であった. Rh_a(D)型は, モノクローナル抗D(モノ抗D)とポリクローナル抗D(ポリ抗D)の2種類の試薬を用いた判定結果が不一致でPartial Dの可能性が示唆された. モノ抗Dとの反応は, 直後遠心が原液(±), ポリエチレン・グリコール法(PEG法)の被凝集価が2倍であった. 一方, ポリ抗Dでは, 直後遠心が原液(±), PEC法の被凝集価が256倍であり, モノ抗Dとポリ抗DのPEG法の検査結果が乖離した. 東京都東赤十字血液センターへPartial Dの可能性も含めて精査を依頼した. その結果, 8種類のモノクローナル抗D抗体との反応結果よりPartial DVaであることが判明した. 「考察」Rh. (D)検査でPartial Dの可能性が示唆される場合は, モノ抗Dとポリ抗Dの両者で実施すると共に間接抗グロブリン法で被疑集価を検出することが重要である. 本症例は抗D抗体を認めないため, 抗D人免疫グロブリンが投与された. 尚, 他の抗D試薬との反応も比較したので併せて報告する. |
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ISSN: | 0546-1448 |