IL-2活性化臍帯血リンパ球を用いたHLAタイピング
背景:臍帯血移植の有効性が明らかになり, 臍帯血移植が急速に普及する機運にあるが, HLA検査などに用いられる細胞数は限られている場合が多い. 臍帯血中のリンパ球をIL-2で活性化および増幅することによりHLAタイピングに用いて有用な結果が得られたので, 徳島大学病院における臍帯血バンクの現状と併せて報告する. 方法:臍帯血はACD液で採取後, 24時間以内にHESにより有核細胞に分離し, 凍害防止剤のCP-1と等量混合した後, 凍結保存した. 有核細胞数が移植基準値(3×10^8 個)以上となる臍帯血採取量は約40mlであった. また, この基準値を越えたものは総採取回数の70%であった....
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Zusammenfassung: | 背景:臍帯血移植の有効性が明らかになり, 臍帯血移植が急速に普及する機運にあるが, HLA検査などに用いられる細胞数は限られている場合が多い. 臍帯血中のリンパ球をIL-2で活性化および増幅することによりHLAタイピングに用いて有用な結果が得られたので, 徳島大学病院における臍帯血バンクの現状と併せて報告する. 方法:臍帯血はACD液で採取後, 24時間以内にHESにより有核細胞に分離し, 凍害防止剤のCP-1と等量混合した後, 凍結保存した. 有核細胞数が移植基準値(3×10^8 個)以上となる臍帯血採取量は約40mlであった. また, この基準値を越えたものは総採取回数の70%であった. HLAタイピング用の細胞は有核細胞の内1×10^6 個/mlを5~10μg/mlのPHAで3日培養した後, 100~200u/mlのIL-2で培養した. 有核細胞は1~2週間で5~50倍に増加した. これを用いてHLAクラス1は血清学的方法により行い, HLAクラス2(DRBI)はドナクイック法により分離したDNAを用いてSSOまたはSSP法により判定した. 結果および考察:IL-2で増幅することによりHLA検査に用いるのに十分な数の有核細胞が得られ, かつ検査日の調整が可能となった. 我々は以前IL-2活性化リンパ球は無刺激のリンパ球に比べて補体依存性細胞障害能(ADCC)感受性が高いことを明らかにしたが, 臍帯血においても高い感受性が得られた. |
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ISSN: | 0546-1448 |