赤血球-M・A・P(日赤)の有効利用と輸血安全性向上に望まれる供給方法の検討

赤血球M・A・P「日赤」(RC-MAP)は従来の赤血球濃厚液(CRC)と比べ白血球(リンパ球)由来の輸血副作用を軽減すると同時に, 有効保存期間が採血後42日間と延長するため, CRCよりも有効利用がしやすい赤血球製剤であると言われている. しかし一方では有効保存期間が延長したことにより, 凝集塊の発生やYersinia enterocolitica(Yersinia)汚染の危惧など, CRCでは経験しなかった問題点が指摘されている1). とくにYersinia汚染血輸血は予後が重篤であり, これを回避するためにはこれまでの報告2)からみて, 保存後25日以内の製剤を輸血することが望まれるであ...

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Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1994, Vol.40 (3), p.469-473
Hauptverfasser: 横山繁樹, 土井康至, 谷口重喜, 松浦尚雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:赤血球M・A・P「日赤」(RC-MAP)は従来の赤血球濃厚液(CRC)と比べ白血球(リンパ球)由来の輸血副作用を軽減すると同時に, 有効保存期間が採血後42日間と延長するため, CRCよりも有効利用がしやすい赤血球製剤であると言われている. しかし一方では有効保存期間が延長したことにより, 凝集塊の発生やYersinia enterocolitica(Yersinia)汚染の危惧など, CRCでは経験しなかった問題点が指摘されている1). とくにYersinia汚染血輸血は予後が重篤であり, これを回避するためにはこれまでの報告2)からみて, 保存後25日以内の製剤を輸血することが望まれるであろう. しかし有効利用をはかる立場からみれば保存期間は長い程有利であり, したがって現状におけるRC-MAP輸血の安全性向上と有効利用をはかるにはどうすれば良いのか, その方策が問題となる. そこで今回われわれは, 毎月需要に見合う計画的採血を行ってきた京都府赤十字血液センター(京都センター)の経験を基にして, RC-MAP輸血の安全性向上と有効利用をはかるための方策について検討を行ったので報告する.
ISSN:0546-1448