献血者より検出されたMcLeod型について
(目的)K_O 血球と反応しないマウスモノクローナル抗体(918-80)を用いて献血者血球をスクリーニング中に, この抗体と反応の弱い血球を検出した. 赤血球の形態異常を示したことから, McLeod型を疑い精査および家系調査を試みた. (方法および成績)発端者S. K. (I-1)は45歳の男性で, Kell関連抗体を用いた被凝集価は, 対照の血球が抗k 64倍, 抗Kp^b 32倍, 抗Js^b 8倍, 抗Ku 512倍のところ, S, K. 血球はそれぞれ4倍, 8倍, 4倍, 16倍であった. 電子顕微鏡による赤血球像では多数の有棘赤血球が認められた. また, 血清CPK値は921u/...
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Zusammenfassung: | (目的)K_O 血球と反応しないマウスモノクローナル抗体(918-80)を用いて献血者血球をスクリーニング中に, この抗体と反応の弱い血球を検出した. 赤血球の形態異常を示したことから, McLeod型を疑い精査および家系調査を試みた. (方法および成績)発端者S. K. (I-1)は45歳の男性で, Kell関連抗体を用いた被凝集価は, 対照の血球が抗k 64倍, 抗Kp^b 32倍, 抗Js^b 8倍, 抗Ku 512倍のところ, S, K. 血球はそれぞれ4倍, 8倍, 4倍, 16倍であった. 電子顕微鏡による赤血球像では多数の有棘赤血球が認められた. また, 血清CPK値は921u/l(正常値10~150)と高値を示し, 血清ハプトグロビン値は10mg/dl以下(正常値41~273)と低値であった. β-リポ蛋白, LDHは基準値内であった. S. K. の娘二人(II-1, II-2)についても同様の検査を行った. モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーでの平均蛍光強度は陽性対照が164.8, K_O 血球は34.8のところ, S. K. は, 83.4であった. II-1, II-2はともに陽性対照と同じ平均蛍光強度をもつ血球とS. K. 血球と同じ平均蛍光強度をもつ血球の2ピークが存在し, 正常血球の割合はそれぞれII-1 12%, II-2 40%であった. 電子顕微鏡による赤血球像はS. K. よりも少数ではあるが, II-1, II-2ともに有棘赤血球が認められた. 血清CPK値はII-1 121u/l, II-2 102u/lハプトグロビン値はII-1 23mg/dl, II-2 28mg/dlであった. (考察)Kell関連抗原の抑制は, Kp^a /K_O , McLeod型, K:-13型, Gerbrich抗原陰性, Allen表現型などが原因で起こるが, 今回のS. K. は血清学的検査, 生化学的検査, 赤血球形態検査などの結果から, McLeod型と考えられた. McLeod遺伝子はX染色体の不活化(lyonization)を受けるため, 女性のキャリアーはMcLeod型と正常血球の2種類の血球集団からなるモザイクを呈することが知られている. S. K. の娘は2人とも正常血球:McLeod血球の比率は異なるが, モザイク現象が認められた. |
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ISSN: | 0546-1448 |