造血器悪性腫瘍に対する寛解後療法としての自己末梢血幹細胞移植(ABSCT)の役割
1989年4月より現在までの間に造血器悪性腫瘍43例に対して自己末梢血幹細胞移植(ABSCT)を施行したので, その成績を報告する. 対象は年齢13-65才(中央値25才), 男性28例/女性15例, 疾患はANLL22例, ALL14例, NHL7例であった. 全例とも完全寛解到達後にI.D Ara-C+VP-16またはI.D. Ara-C+MITによる地固め療法を行い, 造血回復期にアフェレーシスによって末梢血幹細胞を採取, 凍結保存した. メチルセルロース法により十分量の幹細胞(CFU-GM)が採取できたことを確認した後, Busulfan+Ara-C+VP-16(1990年10月からは...
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Zusammenfassung: | 1989年4月より現在までの間に造血器悪性腫瘍43例に対して自己末梢血幹細胞移植(ABSCT)を施行したので, その成績を報告する. 対象は年齢13-65才(中央値25才), 男性28例/女性15例, 疾患はANLL22例, ALL14例, NHL7例であった. 全例とも完全寛解到達後にI.D Ara-C+VP-16またはI.D. Ara-C+MITによる地固め療法を行い, 造血回復期にアフェレーシスによって末梢血幹細胞を採取, 凍結保存した. メチルセルロース法により十分量の幹細胞(CFU-GM)が採取できたことを確認した後, Busulfan+Ara-C+VP-16(1990年10月からはANLL症例に対してはG-CSF+Ara-C持続注入も併用)の前処置後にABSCTを施行した. 移植時の病期は寛解期33例(1CR;24例, 2CR;8例, 3CR;1例), 再発期および治療不応期10例であった. 移植細胞数は1.0-9.8(中央値4.7)x10^8 /kg, CFU-GM数は1.5-58.8(中央値8.6)x10^4 /kgであった. 治療不応期に移植を行った3例では移植後正常造血の回復が認められなかったが, 他の40例では移植後15日(中央値)で顆粒球>0.5x10^9 /L, 18日で網状赤血球>1%に回復し, 最終血小板輸血日は24日であった. 副作用(RRT)としては, 粘膜障害が主で, 一部肝機能障害, 心機能障害を認めたが, 再発時に移植した2例を除き, いずれも軽度かつ可逆性であった. 診断時より移植までの期間(中央値)は8カ月で, 移植後は寛解維持療法を行っていない. 現在ANLL13例(移植後4-44ヵ月), ALLおよびNHL10例(5-42ヵ月)が寛解生存を続けている. 特に, G-CSF併用前処置により移植を施行したANLLでは, 13例中10例が寛解生存を続けている(4-26ヵ月). ABSCTは安全性の高い治療で, 治療期間を短縮でき, 寛解後療法として試みる価値がある. |
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ISSN: | 0546-1448 |