本邦第1例のYka抗体とその輸血後臨床例
1969年Molthanらは, はじめて卵巣癌の女性血清中にYka抗体を検出した1). また, 1975年にはYka抗原頻度を検討し, 白人92%, 黒人98%にYka抗原を検出したと報告している2). よって, 患者がYka抗体を保有した場合, 抗体特異性の決定や, 輸血用血液の確保を行うことは非常に困難である. そこで, 我々は本邦第1例のYka抗体の血清学的性状を検討し, さらに, Yka抗体保有患者へのYka抗原陽性血液の輸血を実施する機会を得たので, その輸血後臨床例について報告する. II. 症例 Yka抗体保有患者KMは, 42歳の男性で現病歴は大腸癌である. 輸血歴は, 198...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1992/09/15, Vol.38(4), pp.563-567 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1969年Molthanらは, はじめて卵巣癌の女性血清中にYka抗体を検出した1). また, 1975年にはYka抗原頻度を検討し, 白人92%, 黒人98%にYka抗原を検出したと報告している2). よって, 患者がYka抗体を保有した場合, 抗体特異性の決定や, 輸血用血液の確保を行うことは非常に困難である. そこで, 我々は本邦第1例のYka抗体の血清学的性状を検討し, さらに, Yka抗体保有患者へのYka抗原陽性血液の輸血を実施する機会を得たので, その輸血後臨床例について報告する. II. 症例 Yka抗体保有患者KMは, 42歳の男性で現病歴は大腸癌である. 輸血歴は, 1989年2月に濃厚赤血球18単位, 保存血液5単位を輸血された. 同年7月15日に医療機関で交差適合試験を実施したところ, 患者血清は間接抗グロブリン法で抗体陽性を示したため当センターに検査依頼された. III. 材料及び方法 1. 血液型 York式血液型判定は, 大阪センターにて米国Gamma社のMarilyn Moulds氏より分与された抗血清を使用し判定された. その他の血液型判定は市販品, 及び兵庫センター自家製の抗血清を使用した. 2. 血清学的性状 既知Yk(a+)血球32例とYk(a-)血球4例は, 市販パネル赤血球を使用した. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.38.563 |