成分採血実施中における供血者の心電図変化
連続血液成分採血装置を用いた成分採血の実施中に, 供血者には種々の反応(donor reaction)をみることがあるが, 採血中の供血者に心電図の異常が現われるか否かは興味ある問題である. 当輸血部では, 供血者における心電図のチェックは以前は採血前1回のみとしていたが, その後カルジオモニターを設置して採血中の変化をも監視することにした. その結果これまでのところ, カルジオモニターに種々の変化がみられることが分かったので報告する. 【方法】供血者の選択はおおむね400ml採血基準に従ったが, できるだけ20~40歳の, 体重60kg以上の男性とし, 血圧は最高血圧110~160, 最低血...
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Veröffentlicht in: | 日本輸血学会雑誌 1987, Vol.33 (2), p.178-178 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 連続血液成分採血装置を用いた成分採血の実施中に, 供血者には種々の反応(donor reaction)をみることがあるが, 採血中の供血者に心電図の異常が現われるか否かは興味ある問題である. 当輸血部では, 供血者における心電図のチェックは以前は採血前1回のみとしていたが, その後カルジオモニターを設置して採血中の変化をも監視することにした. その結果これまでのところ, カルジオモニターに種々の変化がみられることが分かったので報告する. 【方法】供血者の選択はおおむね400ml採血基準に従ったが, できるだけ20~40歳の, 体重60kg以上の男性とし, 血圧は最高血圧110~160, 最低血圧60~90mmHg, 著明な頻脈および徐脈を呈するものを除き, また採血前の12誘導の心電図で異常のあるものは除くようにした. Hemonetics Pexを用い, ボールは225mlを使用した. 1回の採血は通常6サイクルとした. 供血者にはCardio-telemeter(ST17, 福田電子KK)を用い, V_5 が誘導されるように設置した. 供血者の脈拍が90/分以上, または60/分以下になった場合は自動的にモニター図が記録されるようにセットした. また, とくに異常のない場合でも各サイクルの採血(draw)および返血(return)時に短かいモニター図を記録するようにした. 【結果】これまで247例の供血者についてモニター図を記録した. このうち頻脈(脈拍90~110/分)が13例, 徐脈(60/分以下)が23例, うち高度徐脈(45/分以下)が3例みられた. モニター図の異常では, 不整脈4例, RBBB2例, T波逆転2例, その他STの変化, T波の増高および平低化などの重なり合ったものが10例みられた. 中~高度の徐脈をきたしたものに何らかの症状がみられたが, モニター図の変化には必ずしも異常症状を伴うことはなかった. 【結論】成分採血中にカルジオモニターに変化が現われやすいので, たとえ異常症状がみられなくとも注意する必要があると思われた. |
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ISSN: | 0546-1448 |