Cad(+)の一家系について
今回我々は親子三世代にO型Cad(+)を経験したので報告する. 発端者は輸血歴の無い22歳の男性. 躁鬱病で当院入院時, 通常のABO式血液型検査ではO型と判定されたが, Dolichos lectinに対してmixed field agglutination(室温で1:8, 対照A1血球1:64)を示したため精査を行った. ヒト由来抗A, 抗B血清による吸着解離試験, 唾液の凝集阻止試験, 血清中の型転位酵素の検索ではO型, 分泌型と判定された. Dolichos lectinの, 発端者血球との反応はA1血球で繰り返し吸収することによって消失した. 一方, A1血球との反応は発端者血球で吸...
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Zusammenfassung: | 今回我々は親子三世代にO型Cad(+)を経験したので報告する. 発端者は輸血歴の無い22歳の男性. 躁鬱病で当院入院時, 通常のABO式血液型検査ではO型と判定されたが, Dolichos lectinに対してmixed field agglutination(室温で1:8, 対照A1血球1:64)を示したため精査を行った. ヒト由来抗A, 抗B血清による吸着解離試験, 唾液の凝集阻止試験, 血清中の型転位酵素の検索ではO型, 分泌型と判定された. Dolichos lectinの, 発端者血球との反応はA1血球で繰り返し吸収することによって消失した. 一方, A1血球との反応は発端者血球で吸収することによって容易に消失した. Dolichos lectinによる凝集部分と非凝集部分の比率は54.1%と45.9%であった. 植物凝集素との反応は, Salvia horminum(廾), Salvia sclarea(±), Herix pomatia(+)で, また抗Cadヒト血清(++), polybrene(+)であったことよりO型Cad(+)と判定した. 家系調査の結果, 発端者と同様なO型Cad(+)を母と母方祖母に見出した. Caza1らの分類に従えば, 本例はCad2又はCad3と考えられる. |
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ISSN: | 0546-1448 |