急性白血病に併発した重症感染症に対する顆粒球輸注の臨床効果

近年, Total leukemic cell killの理念1)に基づいた多剤併用療法の導入により, 急性白血病の治療成績が着実に向上しつつあることは言うまでもないが, その反面, 急性白血病の死因に占める重症感染症の割合は高く2)3), その予防と治療は寛解率の向上, さらに又生存延長を計るうえで極めて重要な問題と考えられる4). さて急性白血病治療中における感染症の発症及びその経過は, 末梢好中球数の変動と関連し5), かつ抗生物質大量併用療法も顆粒球数の減少している場合には十分な効果が期待し得ない6)ことなどを考える時, その臨床管理における大量顆粒球輸注の必要性が強調されるところであ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本輸血学会雑誌 1981, Vol.27 (1), p.516-520
Hauptverfasser: 厚井文一, 原雅道, 高岡和子, 足立富郎, 渡辺清一郎, 内田耕三郎, 重歳誠, 高橋功, 喜多嶋康一, 木村郁郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, Total leukemic cell killの理念1)に基づいた多剤併用療法の導入により, 急性白血病の治療成績が着実に向上しつつあることは言うまでもないが, その反面, 急性白血病の死因に占める重症感染症の割合は高く2)3), その予防と治療は寛解率の向上, さらに又生存延長を計るうえで極めて重要な問題と考えられる4). さて急性白血病治療中における感染症の発症及びその経過は, 末梢好中球数の変動と関連し5), かつ抗生物質大量併用療法も顆粒球数の減少している場合には十分な効果が期待し得ない6)ことなどを考える時, その臨床管理における大量顆粒球輸注の必要性が強調されるところである. 今回我々は主に急性白血病を中心とLた造血器腫瘍症例にみられた感染エピソードに対し顆粒球輸注を行い, その臨床効果, そして又臨床効果を左右する諸因子について若干の検討を行なったので報告する.
ISSN:0546-1448