人工心肺装置を用いた交換輸血を施行した症例

劇症肝炎はその経過がきわめて悪く, 現在なお有効な治療法は見出されていない. 1958年Lee&Tinkがその治療法の1つとして交換輸血法を導入し, さらに1965年Trayが始めて交換輸血による生存例を報告している. その後は交換輸血が各地で積極的に施行されてきたものの, その成績はあまり良好とはいえない. われわれの所でも過去3年間に3例の劇症肝炎を経験し, その全例に人工心肺装置を用いた交換輸血を施行したので, その交換手技および成績について報告する. まず交換輸血を施行するにあたり, これ迄の経験からみて, 血液の交換率を可能なかぎりよくすること, また交換中交換後の動静脈酸素...

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Hauptverfasser: 横山繁樹, 信岡亘, 工藤琢也, 藤井浩, 松本繁世, 隅田幸男
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:劇症肝炎はその経過がきわめて悪く, 現在なお有効な治療法は見出されていない. 1958年Lee&Tinkがその治療法の1つとして交換輸血法を導入し, さらに1965年Trayが始めて交換輸血による生存例を報告している. その後は交換輸血が各地で積極的に施行されてきたものの, その成績はあまり良好とはいえない. われわれの所でも過去3年間に3例の劇症肝炎を経験し, その全例に人工心肺装置を用いた交換輸血を施行したので, その交換手技および成績について報告する. まず交換輸血を施行するにあたり, これ迄の経験からみて, 血液の交換率を可能なかぎりよくすること, また交換中交換後の動静脈酸素飽和度, 酸塩基平衝を良好に保つこと, 血液交換をできるだけ一定の条件下に施行できること, 感染を完全に防止することなどが必要とされる. そこでわれわれはSarnsのポンプおよびTemptrol人工肺を組み合わせた人工心肺装置を使用した.
ISSN:0546-1448