II-4-27 嚥下内視鏡によるカスピ海ヨーグルトの嚥下適性の評価
【目的】これまで, ヨーグルトは嚥下障害者が比較的安全に摂食できる食品としてゼリーと共に多用されてきた. しかし, 我々の臨床機能検査においてヨーグルトの適性に関するいくつかの問題点が観察されている. そこで, 従来のヨーグルト(以下Y)より粘度が高いカスピ海ヨーグルト(以下カスピ海)を用いてこれらの点を検討し評価した. 【対象と方法】平成20年3月から同年4月まで当院入院・外来の嚥下障害患者(男性4名平均83歳女性5名平均80.8歳, 既往歴に脳血管障害あり)9名に対し, 嚥下内視鏡を用い同一条件下にてYとカスピ海を摂取させ, 咽頭残留(喉頭蓋谷・梨状窩残留)・喉頭侵入・誤嚥についてそれぞれ...
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Veröffentlicht in: | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.394-394 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】これまで, ヨーグルトは嚥下障害者が比較的安全に摂食できる食品としてゼリーと共に多用されてきた. しかし, 我々の臨床機能検査においてヨーグルトの適性に関するいくつかの問題点が観察されている. そこで, 従来のヨーグルト(以下Y)より粘度が高いカスピ海ヨーグルト(以下カスピ海)を用いてこれらの点を検討し評価した. 【対象と方法】平成20年3月から同年4月まで当院入院・外来の嚥下障害患者(男性4名平均83歳女性5名平均80.8歳, 既往歴に脳血管障害あり)9名に対し, 嚥下内視鏡を用い同一条件下にてYとカスピ海を摂取させ, 咽頭残留(喉頭蓋谷・梨状窩残留)・喉頭侵入・誤嚥についてそれぞれ5段階評価を行い比較した. 【結果】Yよりもカスピ海が有効であった症例7(咽頭の知覚低下による嚥下反射惹起遅延6例, 喉頭挙上障害に伴う気管保護不良1例, 咽頭残留4例). 同様・どちらともいえない症例2例(咽頭残留1例, 問題なし1例). Yが有効であった症例0. また, Yでの喉頭侵入2例・誤嚥0に対し, カスピ海は喉頭侵入・誤嚥0であった. 【考察】カスピ海の咽頭残留量が少ない要因として, カスピ海の適度な粘度の高さ付着性の低さが, 食道入口部を通過しやすくすると思われる. さらに, カスピ海は従来のYと比較し咽頭腔へ広がるような残留が少ない傾向があり, 残留からの誤嚥も起きにくいと考えられた. 以上より, カスピ海はYに比し, 嚥下訓練食として誤嚥のリスクが低い適性食品と考えられた. 今後, 症例数を増やし安全性に関わる障害別適性についても評価が必要と考えられる. |
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ISSN: | 1343-8441 |