I-P3-20 歯磨きにおける利き手, 非利き手の磨き残しの違い

【はじめに】脳卒中片麻痺患者の歯磨き動作は, FIM(整容項目)監視レベル以上では磨き残しを確認されることは少ない. 脳卒中片麻痺患者の食事後の食物残渣や磨き残しに関しての報告では, 麻痺側に食物残渣が多いことや磨き残しに麻痺側と非麻痺側の差はないなど様々である. また, 健常者の非利き手での磨き残しについての報告は我々が渉猟した範囲ではない. 本研究では, 健常者の磨き残しに着目し, 歯磨きを利き手と非利き手で行い磨き残しの程度を比較・検討した. 【対象】健常者10名(平均年齢28.8±6.9歳, 男性7名女性3名, 歯磨きの利き手右9名左1名)【方法】利き手と非利き手で歯磨き後, 磨き残し...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2008, Vol.12 (3), p.346-346
Hauptverfasser: 西本敦子, 田中智子, 伊海友雪, 松戸典文, 鈴木幹次郎, 木村彰男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】脳卒中片麻痺患者の歯磨き動作は, FIM(整容項目)監視レベル以上では磨き残しを確認されることは少ない. 脳卒中片麻痺患者の食事後の食物残渣や磨き残しに関しての報告では, 麻痺側に食物残渣が多いことや磨き残しに麻痺側と非麻痺側の差はないなど様々である. また, 健常者の非利き手での磨き残しについての報告は我々が渉猟した範囲ではない. 本研究では, 健常者の磨き残しに着目し, 歯磨きを利き手と非利き手で行い磨き残しの程度を比較・検討した. 【対象】健常者10名(平均年齢28.8±6.9歳, 男性7名女性3名, 歯磨きの利き手右9名左1名)【方法】利き手と非利き手で歯磨き後, 磨き残しの評価と上肢機能評価を測定した. 磨き残しの評価としてO' Learyのplaque control record(PCR)を用いた. PCRは, 歯磨き後綿棒に十分染み込ませた歯垢染色剤を歯全てに染布し, うがい後に染色剤が付着している部位(プラーク)を磨き残しとし, 1歯を口の中心に近い方から近心面, 遠い方を遠心面, 表面, 裏面の4面に分けプラークが付着している面をカウントし, 対象とした歯面の数に対する割合(PCRスコァ)を算出した. 利き手と非利き手での磨き残しを口全体と口内を2つに分けて比較検討した. 【結果と考察】PCRスコアは利き手24.9%, 非利き手38.4%で, 非利き手で有意に磨き残しが多かった. さらに, 口内を利き手側とその反対側に分けた磨き残しは, 利き手で磨いても非利き手で磨いても口内の磨き残しに違いはなかった. 歯ブラシを歯にあてる力加減や手の操作性の違いが考えられた. 今後は, 健常者で非利き手の歯磨き操作の違いや脳卒中片麻痺患者で麻痺側が利き手か否かでの磨き残しの違いを検討し, 効率的な歯磨き操作や非利き手で歯磨きを行う際の指導法につなげていきたい.
ISSN:1343-8441