II-5-7 頭頸部癌に対する超選択的動注化学放射線療法における摂食・嚥下機能温存度の検討

「はじめに」進行頭頸部癌に対する超選択的動注療法は, 放射線療法と併用することで一次効果が極めて良好で, 生存率向上に寄与する可能性があり近年急速に普及している. さらに本療法は形態と機能の温存が図れるとされている. しかし摂食・嚥下機能について具体的に研究した報告はほとんどない. 昨年の本学会で超選択的動注化学放射線療法がどの程度機能の温存に寄与しているかについて報告したが, 今回症例を増やすと同時に検査法も追加して検討したので報告する. 「対象と方法」2000年8月から2007年3月までに, Docetaxelの超選択的動注とCDDP・5-FU点滴静注に放射線併用で治療を行った進行頭頸部癌...

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Veröffentlicht in:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 2007, Vol.11 (3), p.338-338
Hauptverfasser: 秋定健, 椿原彰夫, 平岡崇, 熊倉勇美, 川上紀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」進行頭頸部癌に対する超選択的動注療法は, 放射線療法と併用することで一次効果が極めて良好で, 生存率向上に寄与する可能性があり近年急速に普及している. さらに本療法は形態と機能の温存が図れるとされている. しかし摂食・嚥下機能について具体的に研究した報告はほとんどない. 昨年の本学会で超選択的動注化学放射線療法がどの程度機能の温存に寄与しているかについて報告したが, 今回症例を増やすと同時に検査法も追加して検討したので報告する. 「対象と方法」2000年8月から2007年3月までに, Docetaxelの超選択的動注とCDDP・5-FU点滴静注に放射線併用で治療を行った進行頭頸部癌72例を対象とした. 治療中の食事内容を検討するとともに, 治療前後で口腔癌1例, 中咽頭癌4例, 喉頭癌1例, 下咽頭癌4例に嚥下造影検査(以下VF)を行った. また電子内視鏡検査を用いて喉頭の状態, 特に粘膜炎について経時的に観察し, 数例に嚥下内視鏡検査を行った. 「結果」喉頭温存率は下咽頭癌で96.2%, 喉頭癌で78.6%と高率であった. 治療前のVFでは明らかな通過障害や梨状陥凹への残留, 軽度の誤嚥, 嚥下反射の遅延が認められ, 腫瘍の存在と声帯麻痺の影響が考えられた. 治療後は改善例, 不変例, 悪化例がそれぞれ認められ, 腫瘍消失と放射線粘膜炎の影響があると思われた. 嚥下内視鏡検査施行例では食塊の残留を認めたがその他は良好であった. 新たに行った摂食・嚥下に関するアンケート調査も合わせて総合的に検討を行いたい.
ISSN:1343-8441