(I-P5-18)養育者と専門職の摂食・嚥下機能評価の一致度について

【目的】子どもの摂食・嚥下機能を養育者はどのように把握しているかを明らかにするために, 同一の評価項目を用いて養育者の評価を専門職の評価と比較し検討した. 【対象】関東近郊の療育施設等で摂食指導を受けており, 摂食・嚥下機能段階において食具食べに至っていない12歳までの子ども及びその養育者とした. 対象児は男児23名, 女児22名, 平均月齢46.5ヵ月であった. 養育者は全例母親であった. 【方法】摂食・嚥下機能に関する評価項目からなる食事に関する質問紙を作成した. 評価項目は, 粗大運動, 摂食姿勢, 食事時間, 食物形態, 水分摂取の方法, 過敏, 鼻呼吸の状態, 口唇閉鎖, 嚥下, 押...

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Hauptverfasser: 西方浩一, 川間健之介, 清水千恵子, 波多野裕子, 田村文誉, 内山田恵美
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】子どもの摂食・嚥下機能を養育者はどのように把握しているかを明らかにするために, 同一の評価項目を用いて養育者の評価を専門職の評価と比較し検討した. 【対象】関東近郊の療育施設等で摂食指導を受けており, 摂食・嚥下機能段階において食具食べに至っていない12歳までの子ども及びその養育者とした. 対象児は男児23名, 女児22名, 平均月齢46.5ヵ月であった. 養育者は全例母親であった. 【方法】摂食・嚥下機能に関する評価項目からなる食事に関する質問紙を作成した. 評価項目は, 粗大運動, 摂食姿勢, 食事時間, 食物形態, 水分摂取の方法, 過敏, 鼻呼吸の状態, 口唇閉鎖, 嚥下, 押しつぶし, 咀嚼, 舌運動, 手づかみ食べ, スプーン食べの項目であり, それぞれ3~4段階に分類し選択式にて記入する. さらに適当と思われる食物形態, 摂食姿勢, 食具, 水分摂取道具についても記入する. この質問紙について, 養育者は子どもの普段の食べる様子に関して記入し, その後, 同一の質問紙を用いて専門職が評価を行った. そして, 各項目の養育者と専門職の評価結果の違いについて分析を行った. 【結果及び考察】各評価項目の養育者と専門職の評価の一致度は「適当と思われる食物形態」が46.7%と最も低く, 次に「咀嚼」「飲み込み」の項目が57.8%と低かった. 「過敏」「口唇閉鎖」「押しつぶし」については約70%の一致であり, 「鼻呼吸」「水分の飲み方」「手づかみ食べ」「スプーン食べ」では80%を超えて一致していた. 養育者が評価に際し, 「わからない」と挙げたものは「舌運動」が最も多く, 50%を超えていた. また養育者は「咀嚼」と「適当と思われる食物形態」に関して専門職よりも過大に評価する結果が30%以上に見られ, 「飲み込み」「適当と思われる食物形態」では20%が過小評価している結果となった. 外部から観察困難な項目に一致率の低さがあるのではないかと考えられた.
ISSN:1343-8441