ミラーセラピー運動学習におけるヒト一次運動野機能の役割

【目的】ミラーセラピー(Mirror Therapy:以下,MT)による運動機能,脳機能の変化を検討するとともに,経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて大脳皮質に直接的介入を行い,MTによる運動学習時の一次運動野(M1)の役割をあきらかにすることを目的とする。【方法】対象は,健常成人12名とし,全例右利きであった。運動課題は30秒間の左手でのボール回し課題とし,脳機能はTMSにより導出された運動誘発電位振幅を指標とした。MTは,左手に重ねられた鏡に映る右手運動の視覚フィードバックを伴った右手での運動介入を行った。その後,大脳皮質の活動性を抑制するcontinuous theta burst stim...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2012/04/20, Vol.39(2), pp.82-89
Hauptverfasser: 野嶌, 一平, 美馬, 達哉, 川又, 敏男
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】ミラーセラピー(Mirror Therapy:以下,MT)による運動機能,脳機能の変化を検討するとともに,経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて大脳皮質に直接的介入を行い,MTによる運動学習時の一次運動野(M1)の役割をあきらかにすることを目的とする。【方法】対象は,健常成人12名とし,全例右利きであった。運動課題は30秒間の左手でのボール回し課題とし,脳機能はTMSにより導出された運動誘発電位振幅を指標とした。MTは,左手に重ねられた鏡に映る右手運動の視覚フィードバックを伴った右手での運動介入を行った。その後,大脳皮質の活動性を抑制するcontinuous theta burst stimulation(以下,cTBS)をM1と視覚野(Occipital:以下,OC)に各々2群に分けて実施した。その後,再度MTを実施した。運動機能と脳機能の評価は,各介入後に実施した。【結果】MTにより運動機能と脳機能の有意な向上が見られた。そしてcTBS実施により,M1群でのみ運動機能,脳機能ともに一次的に低下が見られ,再度MTを実施することで運動機能と脳機能の向上が見られた。【結論】MTによる運動機能の向上にはM1の活動性向上が必要である可能性が示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00008046836