新しい臨床実践モデルの紹介:医学モデルと障害モデルの結合 ―患者中心のアプローチと問題解決能力の向上

「はじめに」 本シリーズの第1回1)では臨床推論に, 第2回2)では臨床判断に着目してきたが, 本稿では連載の最後として「問題解決能力」に焦点をあててみたい. 臨床現場で解決すべき問題は数多いが, 中堅の理学療法士(以下, PT)に求められる臨床実践能力は3つあると考えている. まず1つめは, 急性期から回復期・維持期といった病期に応じた適切な対応力, 2つめは医療から保健福祉まで幅広い領域で活躍できる実践力, そして3つめは, 患者の意向や価値観を尊重した患者中心の質の高い理学療法の展開力である. このシリーズでは, 介入ポイントを見つけるためには, 自分の専門から一旦離れて, 患者のおかれ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2010, Vol.37 (5), p.380-386
1. Verfasser: 平上二九三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 本シリーズの第1回1)では臨床推論に, 第2回2)では臨床判断に着目してきたが, 本稿では連載の最後として「問題解決能力」に焦点をあててみたい. 臨床現場で解決すべき問題は数多いが, 中堅の理学療法士(以下, PT)に求められる臨床実践能力は3つあると考えている. まず1つめは, 急性期から回復期・維持期といった病期に応じた適切な対応力, 2つめは医療から保健福祉まで幅広い領域で活躍できる実践力, そして3つめは, 患者の意向や価値観を尊重した患者中心の質の高い理学療法の展開力である. このシリーズでは, 介入ポイントを見つけるためには, 自分の専門から一旦離れて, 患者のおかれている状況に目を開き, 患者の語りに耳を澄ませることが必要であると言ってきた1). また, 患者の問題を発見するには実践を通して‘気づく’ことが必要であり, 身体的志向だけでなく心理社会的志向を意識することが重要であると述べてきた2).
ISSN:0289-3770