外乱刺激に対するパーキンソン病者の立位姿勢保持に関する研究(第一報)

【はじめに】パーキンソン病(PD)は1817年にJames Parkinsonによって初めて報告された. PDの症状には固縮, 無動, 振戦, 歩行障害, 平衡機能障害があり, 特に平衡機能障害は日常生活に多大な制限を及ぼしている. 本研究では外乱刺激に対するPDの立位保持時の下肢筋活動と重心動揺の特徴について検討した. 【方法】被験者は地域在住のPD5名(男性2名, 女性3名, 45~71歳)と, 健常高齢女性5名(57~69歳)とした. PDの重症度はHoehn-Yahrの重症度分類でstageIが1名, IIが3名, IIIが1名であった. 使用機器は平衡機能検査装置EQUITEST S...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 2003-04, Vol.30 (suppl-2), p.294-294
Hauptverfasser: 田口孝行, 中田英雄, 池田誠, 水上信智, 溝呂木忠, 田口直枝, 井口佳晴, 宇澤和美, 小林裕希子, 長谷川卓志, 西原賢, 井上和久, 久保田章仁, 細田多穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】パーキンソン病(PD)は1817年にJames Parkinsonによって初めて報告された. PDの症状には固縮, 無動, 振戦, 歩行障害, 平衡機能障害があり, 特に平衡機能障害は日常生活に多大な制限を及ぼしている. 本研究では外乱刺激に対するPDの立位保持時の下肢筋活動と重心動揺の特徴について検討した. 【方法】被験者は地域在住のPD5名(男性2名, 女性3名, 45~71歳)と, 健常高齢女性5名(57~69歳)とした. PDの重症度はHoehn-Yahrの重症度分類でstageIが1名, IIが3名, IIIが1名であった. 使用機器は平衡機能検査装置EQUITEST SYSTEM Ver.7.0(NEUROCOM社製)とLeg1000(日本光電社製)とした. 被験者の右前脛骨筋(TA)と右腓腹筋(GAS)に表面皿電極を貼り付け, 平衡機能検査装置のプラットフォーム(PF)上で開眼立位を保持させた. その後, PFを前方または後方に10cm/sで3cmの距離を移動させた. PF移動前に口頭指示による合図を行ったが, 口頭指示からPF移動までの時間は任意とした. また, 前方および後方どちらに移動するかについての指示は与えず, 任意に各10回施行した. 本報告ではPF後方移動について検討した. 【分析方法】1)重心動揺:PFの4個のストレンゲージからPF移動中(300ms)における垂直分力をサンプリングタイム10msで記録し, 重心動揺量の指標としてRMSを算出した. 高齢者とPDのRMSの差の検定には対応のないt検定を使用した. 2)筋電図(EMG):TAとGASの筋活動電位はサンプリングタイム1msで記録し, PF移動中の積分筋電図(IEMG)を算出した. その後, TAとGASの総IEMGより活動割合(%IEMG)を求めた. 【結果】1)重心動揺:健常高齢者とPDの平均RMSは各々0.59±0.04, 0.77±0.27であり, PDが有意に大きな値を示した(p
ISSN:0289-3770