愛知県におけるスモン患者の療養状況

愛知県下のスモン患者48例の臨床症状と日常生活の現状を集団検診の結果と検診時に作成した厚生省特定疾患スモン調査研究班(班長 : 安藤一也)の医療システム分科会スモン現状調査個人票から検討した。 48例のうち37例が女性(77.1%)であり,60歳以上が72.9%を占めていた。 臨床症状は20年以上永続した複雑な経過をたどっており,神経症候は固定されているが老化による体力の低下や合併症による障害の重度化が進んでいた。 家族構成は45.8%が1人または2人暮らしであり,介護を配偶者に依存している者が約20%みられた。患者および介護者が高齢なため将来に対しての不安を抱いており,医療および行政に大きな...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:理学療法学 1991/03/10, Vol.18(2), pp.115-120
Hauptverfasser: 岩月, 宏泰, 室賀, 辰夫, 木山, 喬博, 前川, 妙子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:愛知県下のスモン患者48例の臨床症状と日常生活の現状を集団検診の結果と検診時に作成した厚生省特定疾患スモン調査研究班(班長 : 安藤一也)の医療システム分科会スモン現状調査個人票から検討した。 48例のうち37例が女性(77.1%)であり,60歳以上が72.9%を占めていた。 臨床症状は20年以上永続した複雑な経過をたどっており,神経症候は固定されているが老化による体力の低下や合併症による障害の重度化が進んでいた。 家族構成は45.8%が1人または2人暮らしであり,介護を配偶者に依存している者が約20%みられた。患者および介護者が高齢なため将来に対しての不安を抱いており,医療および行政に大きな関心を持っていることが推察された。今後とも地域医療ケアシステムの一環として,スモン患者の全身状態に適した運動の処方を含めた生活指導を継続していく必要があることが示唆された。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003126645