オルゴール音の効果を脳波でみると

オルゴールの音色には可聴域以外の高周波が含まれ, かつオルゴール特有のリズムとも相侯って心が休まると指摘する人があり, この効果を癒しとして利用しようとする音楽療法の一種にオルゴール療法がある. そこでオルゴール音の脳波, 光トポグラム等への影響を検討した. 一般に健常人の安静閉眼時の脳波は後頭部を中心にα波成分が優位になるが, リラクゼーションが得られると, α波パワーの増大と徐波化がみられる. しかし, 今回のオルゴール音を使用したリラクゼーション時の結果では, αパワーの増大と徐波化もみられたが, 他の周波数帯域(特にβ帯域)のパワーも増大した. 今回, 脳梗塞後に末梢の感覚障害等を有す...

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Veröffentlicht in:Journal of International Society of Life Information Science 2000, Vol.18 (1), p.269-275
Hauptverfasser: 上田至宏, 樫葉均, 石井昌明, 柳田利雄, 喜多村祐里, 佐伯吉捷
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:オルゴールの音色には可聴域以外の高周波が含まれ, かつオルゴール特有のリズムとも相侯って心が休まると指摘する人があり, この効果を癒しとして利用しようとする音楽療法の一種にオルゴール療法がある. そこでオルゴール音の脳波, 光トポグラム等への影響を検討した. 一般に健常人の安静閉眼時の脳波は後頭部を中心にα波成分が優位になるが, リラクゼーションが得られると, α波パワーの増大と徐波化がみられる. しかし, 今回のオルゴール音を使用したリラクゼーション時の結果では, αパワーの増大と徐波化もみられたが, 他の周波数帯域(特にβ帯域)のパワーも増大した. 今回, 脳梗塞後に末梢の感覚障害等を有する患者に, オルゴール療法を行っている時の脳波を測定する機会があり, その患者では特にβ帯域のパワーの増大傾向が顕著に表れた. オルゴール音は, 皮質の活動を賦活する働きがあるだけではなく, 高周波による影響が骨伝導を通して深部の脳波活動にも影響をあたえているようであった.
ISSN:1341-9226