ME機器保守業務におけるリスクの数値的管理手法

〔目的〕ME機器保守業務において,その活況を標準化された数値を用いて表出すると,組織内では経時的評価の尺度として,また施設間では相互評価のための尺度としての機能を持つ.業務の活況低下は不貝合発生の増加要因であるから,数値管理を行うことにより医療機器のリスク管理評価も可能となる.〔方法〕(1)Risk Factorの設定:機種ごとに不具合が発生した場合に生じるリスクのレベル設定を行う.今回は機器の機能」,「不具合が生じたときに予想される帰結」,「機器の稼動場所」,「保守作業の難易度」をそれぞれ数段階(2点〜20点)に分類し,機種ごとに最少13点から最大55点のRisk Factorを設定した.(...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2003/04/01, Vol.73(4), pp.212
Hauptverfasser: 高階, 雅紀, 平野, 匠, 福辺, 祥子, 楠本, 繁崇, 古賀, 誠治, 増田, 行雄, 野口, 悟司, 田野, 保雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕ME機器保守業務において,その活況を標準化された数値を用いて表出すると,組織内では経時的評価の尺度として,また施設間では相互評価のための尺度としての機能を持つ.業務の活況低下は不貝合発生の増加要因であるから,数値管理を行うことにより医療機器のリスク管理評価も可能となる.〔方法〕(1)Risk Factorの設定:機種ごとに不具合が発生した場合に生じるリスクのレベル設定を行う.今回は機器の機能」,「不具合が生じたときに予想される帰結」,「機器の稼動場所」,「保守作業の難易度」をそれぞれ数段階(2点〜20点)に分類し,機種ごとに最少13点から最大55点のRisk Factorを設定した.(2)Time Factorの算出:不具合の発生は点検からの時間経過とともに増加するため,点検施行日のTime Factorを0,定めた点検問隔でのTime Factorを1と定義した.点検間隔1年の機器が点検から半年経った時点でのTime Factorは6÷12=0.5であり,15ヵ月経過した時点でのTime Factorは15÷12=1.25となる.(3)Total RiskとRisk Indexの算出:個々の機器のRisk FactorとTime Factorの積がその機器のその時点でのRisk Valueとなる.保有する機器のRisk Valueの総和をその病院の機器のTotal Riskと定義する.Total Riskを個々の機器のRisk Factorの総和で除したものがRisk Indexとなる.すべてのME機器の定期点検を,定められた期間どおりに行うとRisk Indexは1に収束する.管理台帳が電子化されていれば,個々のME機器の情報にRisk Factorと点検間隔を追加するだけで簡便に算出することができる.〔結語〕ME部門の運営には作業コストや故障発生率の管理とともに,Risk Indexのような目標達成指数を経時的に監視することが有用である.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.73.4_212_2