血液製剤中のエンドトキシン検出法の検討
近年, 血液製剤の長期保存と赤血球の品質向上を目的とした各種の赤血球添加液が開発され実用化されている. 諸外国におけるYersinia enterocolitica(以下Y. enterocolitica)汚染による致命的輸血合併症は, エンドトキシンショックによるものであり, いずれも2週間以上の長期保存した赤血球製剤で発生している. 日本赤十字社では42日間の有効期間で出発した赤血球M.A.P(以下RC-MAP)を, 安全性を期して1995年4月より21日間に短縮した. エンドトキシン(以下Etx)はグラム陰性桿菌の細胞壁外膜に存在するLipopolysaccharaide(LPS)であり...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 1998/09/01, Vol.68(9), pp.375-380 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 血液製剤の長期保存と赤血球の品質向上を目的とした各種の赤血球添加液が開発され実用化されている. 諸外国におけるYersinia enterocolitica(以下Y. enterocolitica)汚染による致命的輸血合併症は, エンドトキシンショックによるものであり, いずれも2週間以上の長期保存した赤血球製剤で発生している. 日本赤十字社では42日間の有効期間で出発した赤血球M.A.P(以下RC-MAP)を, 安全性を期して1995年4月より21日間に短縮した. エンドトキシン(以下Etx)はグラム陰性桿菌の細胞壁外膜に存在するLipopolysaccharaide(LPS)であり, 微量で強い発熱作用を示すほか, 敗血症に伴うショックおよび播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こすなど, 多彩な生物活性をもつことが知られている. Etx検出法の一つに, カブトガニ血球抽出物(Limulus amebocyte lysate:LAL)を利用したリムルス試験があり, 医学・薬学の分野で広く利用されている. リムルス試験による患者の血中Etx検出には, 少量の抗凝固剤ヘパリンを用いて患者より直接検体採取を行っているが, ヘパリンによる測定値への影響はないとされている. しかしながら血液製剤中のEtx検出において, 血液保存液や赤血球添加液等がリムルス試験に対してどのような影響をおよぼすかについては, 詳しく検討がなされていない. また, 得られる試験検体には血漿とMAP液があり測定時の検体処理方法については, それらに応じて最適の方法を選ばなければならない. リムルス試験による血液製剤中のEtx検出法を確立するために, 検体の処理方法を中心に基礎的検討を行った. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.68.9_375 |