閉鎖孔ヘルニアが原因であった慢性右下肢痛の1例

「I はじめに」閉鎖孔ヘルニアは嵌頓整復を繰り返すことにより発作性の慢性下肢痛の原因となるが, その一般的認知度は低い. 今回, 数年来, 断続的に繰り返された右下肢発作痛の原因が, 閉鎖孔ヘルニアであった症例を経験したので報告する. 「II 症例」85歳, 女性, 160cm, 体重43kg. 10年ほど前から間欠的な右下肢痛があり, 1年前から頻度が増え, 近医整形外科で腰椎疾患を疑われて非ステロイド系消炎鎮痛薬を処方されていた. 初診の3カ月前と2週間前に右下肢に激痛があり, 痛みが治まった後にMRI施行されたが, 原因ははっきりしなかった. 初診10日前に再度痛みがあり, 別の整形外科...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2016, Vol.23(1), pp.58-59
Hauptverfasser: 神田, 知枝, 実藤, 洋一, 笠井, 裕子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」閉鎖孔ヘルニアは嵌頓整復を繰り返すことにより発作性の慢性下肢痛の原因となるが, その一般的認知度は低い. 今回, 数年来, 断続的に繰り返された右下肢発作痛の原因が, 閉鎖孔ヘルニアであった症例を経験したので報告する. 「II 症例」85歳, 女性, 160cm, 体重43kg. 10年ほど前から間欠的な右下肢痛があり, 1年前から頻度が増え, 近医整形外科で腰椎疾患を疑われて非ステロイド系消炎鎮痛薬を処方されていた. 初診の3カ月前と2週間前に右下肢に激痛があり, 痛みが治まった後にMRI施行されたが, 原因ははっきりしなかった. 初診10日前に再度痛みがあり, 別の整形外科を受診したところ, 鼠径部に痛みがあったため消化器内科受診を勧められた. 翌日, 当院消化器内科を受診したが, 診察時に痛みはなく, 鼠径ヘルニアは否定された. 腹部X線写真, 血液データに特異な所見はなく, 精査よりも痛みに対する処置を希望し, 後日, 当科に紹介となった.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc.15-0033