10.舌痛症患者の臨床経過と症例検討
器質的変化全身疾患を伴わない舌痛症は, 治療に難渋することが多い. 当科では抗不安薬抗うつ薬の薬物療法を中心とした治療と, ときに星状神経節ブロックを併用している. 心因要素が強く疑われるときは心理療法士の面談, 心理テストを行い, また, 精神症状が強い場合は精神科へコンサルトしている. 症例:女性7例, 年齢54~75歳. 複数科, 複数院受診歴6例. 舌先部中心の持続的なびりびりとした痛みを伴っていた. 薬物療法のみの4例, 星状神経節ブロック併用2例で疼痛軽減. 残り1例は精神科で加療し疼痛軽減に至った. 上記症例中2例は症状を繰り返し, 心理療法士の面談で家庭環境の疼痛への関与が考え...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2004, Vol.11 (4), p.479-479 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 器質的変化全身疾患を伴わない舌痛症は, 治療に難渋することが多い. 当科では抗不安薬抗うつ薬の薬物療法を中心とした治療と, ときに星状神経節ブロックを併用している. 心因要素が強く疑われるときは心理療法士の面談, 心理テストを行い, また, 精神症状が強い場合は精神科へコンサルトしている. 症例:女性7例, 年齢54~75歳. 複数科, 複数院受診歴6例. 舌先部中心の持続的なびりびりとした痛みを伴っていた. 薬物療法のみの4例, 星状神経節ブロック併用2例で疼痛軽減. 残り1例は精神科で加療し疼痛軽減に至った. 上記症例中2例は症状を繰り返し, 心理療法士の面談で家庭環境の疼痛への関与が考えられた. 1例は経過中に精神症状が強くなり, 精神科で加療し疼痛軽減したが, 精神科主治医変更を転機に症状悪化. 他院精神科にて継続加療している. 舌痛症は中高年期の女性に好発し, 特徴的な臨床症状を示す慢性疼痛の一つとされている. 精神科的疾病分類では心気症に属する症例が多く, ドクターショッピングを繰り返すことも多い. 家庭環境社会環境の把握が治療方針のかぎとなることもあり, また, うつ症状が強い場合は早期に精神科へコンサルトする必要があると考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 |